宅建業の経営計画シミュレーター

開業したあと、毎月いくらかかり、いくら売り上げれば回るのかを試算します。法人と個人事業主の違い、創業融資の返済、売買の入金のずれまで含めて、会計上の利益と、返済・生活費を払った後の手元資金を分けて計算します。

入力内容はこの端末のブラウザにのみ保存されます(サーバー送信なし)。

この計画だと、こうなります

最初に出ている数字は標準的な初期値の例です。下の入力を自分の数字に変えると、すぐ書き換わります。

会計上の利益(月・税引前)-14,200円
手元資金の増減(月)-14,200円
損益分岐点(月商)69万円
12ヶ月後の手元資金125万円
手元資金の12ヶ月推移

下の入力を変えると、この結果がすぐ書き換わります。まずは売上の単価と件数、家賃をご自身の想定にしてみてください。

事業の形

役員報酬とその会社負担の社会保険料を、会計上の費用(固定費)に含めて計算します。

軌道に乗ったあとの月間ペースで入力してください。

売買仲介

平均物件価格(税抜)
円
月間の成約件数
件/月
両手(双方から受領)の割合0%

1件あたりの受領額は842,400円(法定上限・免税事業者: 税抜+4%)。0.5件=2ヶ月に1件です。

賃貸仲介

平均賃料(月額)
円
月間の成約件数
件/月
AD(広告料)等の上乗せ1件あたり。貸主から受け取る広告料など
円

1件あたり83,200円(仲介手数料は借主・貸主あわせて賃料1ヶ月分相当が法定上限)。

管理料収入(あれば)

管理戸数
戸
1戸あたり月額
円

成約件数に関係なく毎月入る収入として扱い、損益分岐点の計算では固定費から差し引きます。

詳細設定(消費税・実受領率)

消費税の扱い

免税事業者が報酬に上乗せできるのは消費税分(10%)ではなく、仕入税額相当として税抜報酬の4%までです(国土交通省の解釈・運用)。課税事業者は預かった消費税を納めるため税抜で数え、消費税の納付額はこのツールでは計算しません。どちらに当たるかは税理士にご確認ください。

売買手数料の実受領率100%

法定上限どおり受領できない(値引きする)場合の割合です。

月間売上(軌道に乗ったあと)670,800円

役員報酬(月額)

ご自身への報酬
円

会社負担の社会保険料(約15%)を上乗せし、月345,000円を固定費として計上します。

固定費(売上がなくても毎月出ていくお金)

  • 円

    自宅開業なら0円に。開業費用シミュレーターの家賃設定を引き継ぎます

  • 円

    年会費・支部会費などを12で割った目安。初年度分を開業費用に含めて試算した場合は、1年目はここを0円にすると二重になりません

  • 円

    SUUMO・at home 等の月額。反響課金は成約経費側で調整

  • 円
  • 円

    ガソリン・保険・駐車場など

  • 円

    顧客管理・書類作成・会計ソフトなど

  • 円

    記帳代行・決算料は別のことが多い

  • 従業員(本人を除く)

    人数
    人
    平均月給(1人あたり)
    円
    給与+法定福利費(約15%)0円

変動費(成約のたびにかかるお金)

売買の成約1件あたり役所・現地調査、証明書・印紙、決済関連など
円
賃貸の成約1件あたり案内の交通費、書類作成など
円

いまの成約ペースで月30,000円(売買15,000円+賃貸15,000円)になります。

自己資金
円

借入(創業融資など)

借入額
円
開業の初期費用
円

開業費用シミュレーターで試算した金額が同じブラウザなら自動で入ります。協会の初年度会費など年払いの費用を初期費用に含めた場合は、月次の固定費側を0円にすると二重になりません。

売上が軌道に乗るまでの月数6ヶ月
売買の入金までのずれ(成約から決済まで)1ヶ月後

売買仲介の手数料は決済時の受領が中心のため、成約から入金まで1〜2ヶ月ずれるのが普通です。賃貸・管理は当月入金として計算します。

最初に出ている数字は標準的な初期値の例です。左の入力を自分の数字に変えると、すぐ書き換わります。

会計上の利益(月次・軌道後・税引前)-14,200円
  • 売上670,800円
  • 固定費(役員報酬含む)-655,000円
  • 変動費-30,000円

毎月の手元資金の増減(返済・生活費を払った後)

-14,200円
  • 会計上の利益-14,200円

損益分岐点(会計上の利益がゼロになる売上)

月685,665円

いまの想定は損益分岐点に約2%届いていません。

入力した単価の想定で換算すると、月に売買0.5件+賃貸3.1件に相当します。単価はエリアと扱う物件で大きく変わるため、件数はこの単価でのめやすです。

手元資金の見通し

  • 開業時(自己資金+借入−初期費用)3,445,000円
  • 最も少なくなるとき(12ヶ月目)1,251,400円
  • 12ヶ月後1,251,400円

必要運転資金の目安 = 開業時の残高 − 最も少なくなるときの残高 = 2,193,600円。この分を確保できていれば、立ち上がりの谷を越えられる計算です。

損益分岐点はどこにあるか(仲介の月間売上との関係)

横軸が仲介(売買+賃貸)の月間売上。管理料収入は毎月固定で入るため、賄うべき固定費から差し引いて描いています。

赤字黒字いまの想定損益分岐点
  • 仲介売上の線
  • 賄うべき固定費等 655,000円 +変動費
  • 損益分岐点 仲介売上 月685,665円
  • いまの想定 月670,800円(赤字圏)

月次の損益の構造(会計上・軌道後)

売上がどう費用に使われ、いくら残るか。上下の棒は同じスケールです。

売上 670,800円

  • 売買仲介421,200円
  • 賃貸仲介249,600円

費用 685,000円

  • 固定費655,000円
  • 変動費30,000円

費用が売上を月14,200円上回っています(棒が売上より長い分が不足額です)。

固定費の内訳(月)

どの費用が重いか。損益分岐点を下げるなら、大きい項目から見直します。

  • 役員報酬+会社負担社保345,000円
  • 事務所の家賃・共益費160,000円
  • ポータルサイト掲載・広告費50,000円
  • 車両費・駐車場30,000円
  • 税理士顧問料30,000円
  • 通信費・水道光熱費20,000円
  • 協会・レインズ等の会費(月割)10,000円
  • 業務システム・ソフトウェア10,000円

開業からの手元資金の推移(12ヶ月)

売上は6ヶ月かけて巡航ペースへ立ち上がり、売買の入金は1ヶ月遅れの前提。返済・役員報酬まで払った後の残高です。

月ごとの資金の増減(入金 − 出金)

月末の手元資金

123456789101112

(営業開始からの月数)

月ごとの数字を見る
月入金出金うち利息うち元金返済増減手元資金
開業時自己資金+借入 7,000,000円初期費用 3,555,000円―――3,445,000円
1ヶ月目41,600円660,000円――-618,400円2,826,600円
2ヶ月目153,400円665,000円――-511,600円2,315,000円
3ヶ月目265,200円670,000円――-404,800円1,910,200円
4ヶ月目377,000円675,000円――-298,000円1,612,200円
5ヶ月目488,800円680,000円――-191,200円1,421,000円
6ヶ月目600,600円685,000円――-84,400円1,336,600円
7ヶ月目670,800円685,000円――-14,200円1,322,400円
8ヶ月目670,800円685,000円――-14,200円1,308,200円
9ヶ月目670,800円685,000円――-14,200円1,294,000円
10ヶ月目670,800円685,000円――-14,200円1,279,800円
11ヶ月目670,800円685,000円――-14,200円1,265,600円
12ヶ月目670,800円685,000円――-14,200円1,251,400円
利益(月)-1.4万円手元(月)-1.4万円

「利益」と「手元のお金」は別物

経営計画でいちばん混同しやすいのがここです。会計上の利益(損益)は売上から費用を引いたもの。一方、手元資金はそこからさらに、借入の元金返済(費用ではない)や、個人事業主ならご自身の生活費(事業主貸)が出ていきます。売買仲介では成約から入金(決済)までのずれもあります。

「黒字なのに資金が減っていく」のはこの差が原因です。このシミュレーターが2つを分けて表示しているのは、開業1年目の資金計画ではこの差こそが命綱だからです。

経営計画は「固定費」から立てる

最初に固めるべきは売上目標ではなく、売上がゼロでも毎月出ていくお金(固定費)です。事務所の家賃、役員報酬(法人の場合は会社負担の社会保険料込みで費用になります)、協会の会費、ポータルサイトの掲載料——初期値(法人)では月655,000円の想定です。

一方、役所調査の交通費や証明書・印紙のように成約のたびにかかるお金(変動費)は売上に応じて増えます。このツールでは売買1件あたり・賃貸1件あたりで分けて設定できます。固定費と変動費を分けておくと、「最低いくら売り上げれば固定費を賄えるか」=損益分岐点が計算できるようになります。

損益分岐点の前に、「1件あたりの単価」を決める

損益分岐点そのものは金額で決まります。初期値(法人)の費用構成では月685,665円前後です。これを「月に何件の成約か」に換算したくなりますが、ここに落とし穴があります。宅建業は、1件あたりの単価がエリアと扱う物件で桁違いに変わるからです。

仲介手数料の上限は宅建業法で決まっているため、単価はほぼ物件価格・賃料で決まります。賃貸なら、賃料50,000円の物件で1件約52,000円、賃料300,000円なら約312,000円。売買なら、物件価格1,000万円で1件約374,400円、10,000万円なら約3,182,400円(いずれも片手・税込)。同じ「月3件」でも、売上は数十万円にも数百万円にもなります。

だから計画の順序は、件数の目標より先に「どのエリアで、何を扱うのか」を決めて、自分の平均単価を置くことです。単価が決まって初めて、損益分岐点を件数に換算する意味が生まれます。このツールの件数表示も、入力した単価を前提にした換算値にすぎません。単価を変えて、必要件数がどれだけ動くかを確かめてみてください。

両手(売主・買主の双方から受領)の割合や、上限どおり受領できない場合の割引もツールで調整できます。管理料収入がある場合は、成約件数に関係なく毎月入る収入として固定費から差し引いて計算します。

開業1年目の「資金の谷」に備える

開業直後から巡航ペースの売上が立つことはまれです。認知づくりと物件情報の蓄積に時間がかかり、売買仲介は成約から決済(入金)まで1〜2ヶ月ずれるのが普通です。つまり固定費と生活費だけが先に出ていき、手元資金は一度必ず谷を作ります。

このシミュレーターでは「軌道に乗るまでの月数」と「売買の入金のずれ」を動かして、谷の深さ——手元資金が最も少なくなる時点——を確かめられます。谷がマイナスに落ちるなら、売上想定を上げるのではなく、資金を厚くする(自己資金・創業融資)か固定費を下げる方向で直すのが定石です。創業融資には元金の据置期間を設けられることがあり、据置を使った場合の資金繰りも試算できます。開業時の初期費用は開業費用シミュレーターから引き継げます。

よくある質問

一人で開業した場合、毎月の固定費はどのくらいかかりますか?

このシミュレーターの初期値(法人)では、事務所家賃・役員報酬(会社負担の社会保険料込み)・協会会費・広告費・車両費などで月655,000円という想定にしています。自宅開業にする、広告費を絞るなどの選択で変わるため、項目ごとに調整してください。

法人と個人事業主で、計算はどう変わりますか?

法人では、ご自身への役員報酬とその会社負担の社会保険料(約15%)が会計上の費用になり、損益分岐点にも含まれます。個人事業主では、生活費(事業主貸)は会計上の費用ではないため損益には含まれず、手元資金の計算だけで差し引きます。同じ生活水準でも「会計上の利益」の見え方が大きく変わるため、このシミュレーターでは両方を分けて表示しています。

売上はいくらあれば黒字になりますか?

固定費と変動費の想定によります。初期値(法人)の費用構成では、損益分岐点は月685,665円前後という計算になります。何件の成約に相当するかは1件あたりの単価しだいで、単価はエリアと扱う物件で大きく変わります。ツールに単価と費用を入れると、その前提での必要売上と件数換算が自動で計算されます。管理料収入がある場合は、毎月固定で入る分を固定費から差し引いて計算します。

創業融資の返済は、利益にどう影響しますか?

支払利息は会計上の費用なので損益に含まれますが、元金の返済は費用ではなく、手元資金だけが減ります。つまり「損益計算では黒字なのに、返済すると手元のお金が減っていく」ことが起こります。このシミュレーターでは利息を損益と資金繰りの両方に、元金返済を資金繰りだけに反映して、この違いが見えるようにしています。据置期間(元金の返済を待ってもらう期間)を設定した場合の資金繰りも試せます。

従業員を1人雇うと、費用はどのくらい増えますか?

給与のほかに社会保険料などの会社負担分(給与の約15%)がかかります。月給250,000円なら月287,500円前後、年間で約345万円の固定費増です。ツールの人数を変えると、損益分岐点への影響をすぐ確かめられます。

税金はどのくらい見ておけばよいですか?

このシミュレーターは税引前の計算で、法人税・所得税・住民税・消費税の納税額は含んでいません。仲介報酬は、課税事業者なら税抜で数え(預かった消費税は納付するため収入にしません)、免税事業者なら仕入税額相当として税抜報酬の4%までを上乗せした受領上限で数えます(国土交通省の解釈・運用の考え方)。この切り替えは「詳細設定」にあります。具体的な税額や、いつから課税事業者になるかは税理士にご確認ください。

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計画の数字は、開業前がいちばん直しやすい

固定費の大半は、事務所と協会という開業時の選択で決まります。司法書士・行政書士として、また自ら宅建業を営む立場から、開業の段取りと費用の設計を一緒に整理します。

前提と出典

一人〜少人数で開業する宅建業(仲介中心)の月次モデル。会計上の損益(税引前)と、返済・生活費まで払った後の手元資金を分けて計算する。法人税・所得税・消費税の納税額は扱わない。

仲介手数料の上限は宅建業法46条・国土交通省告示による法定値(税抜の速算式)。免税事業者が上乗せできる仕入税額相当は税抜報酬の4%まで、課税事業者は税抜で数え消費税の納付額は計算対象外。それ以外の費用・金利等は 2026年8月時点の調査に基づく相場の目安で、地域・事業者・金融機関により変動する。

  • 売買・賃貸の仲介手数料の上限(宅建業法46条・国土交通省告示)
  • 免税事業者の上乗せ上限(税抜+4%)(「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」令和8年4月1日施行版)
  • 創業融資の金利・返済期間の初期値(日本政策金融公庫の公表水準を参考。2026年8月時点)
  • 固定費・変動費の目安(各事業者の公表情報に基づく相場。2026年8月時点)

数値の確認日: 2026-08-30。このシミュレーターは資金計画の検討材料を提供するもので、売上・成約数・収益や融資の可否を保証するものではありません。納税額(法人税・所得税・消費税等)は含まないため、具体的な税務は税理士にご確認ください。