宅建業(不動産業)の開業資金

宅建業の開業費用は
いくらかかる?

会社設立から免許申請、保証協会、事務所の契約まで、宅建業の開業にはおおよそ199万円372万円(運転資金を除く)がかかります。金額の幅がこれほど大きいのは、事務所をどう構えるかで百万円単位の差が出るためです。

このページでは、その内訳と「どこで金額が変わるのか」を図で整理します。ご自身の条件での金額は、無料のシミュレーターですぐに出せます。

自分の条件だと、いくら?

会社の形・事務所・保証協会を選ぶだけで内訳が出ます。金額はすべて編集でき、当てはまらない項目は外せます。登録不要・無料です。

開業費用シミュレーターを使う

総額はいくらか(3パターン比較)

同じ「宅建業の開業」でも、事務所の構え方で総額は大きく変わります。いずれも保証協会に加入し、専任の宅建士はご自身が務め、手続きを自分で行う前提の試算です。

図1開業パターン別の初期費用(運転資金を除く)同じ条件でも、事務所の構え方で総額はここまで変わります。
  • 賃貸事務所で開業372万円

    株式会社・賃貸事務所(賃料15万円)・保証協会に加入

  • レンタルオフィスで開業221万円

    合同会社・レンタルオフィス(月5万円)・保証協会に加入

  • 自宅で開業199万円

    個人事業主・自宅の一室・保証協会に加入

シミュレーターの標準設定で算出。数値の確認日 2026-08-26。金額は目安であり、地域・時期により変動します。

自宅開業ともっとも費用のかかる賃貸事務所では、172万円の差が出ます。一方で、どのパターンでも共通してかかるのが営業保証(保証協会)の費用で、これが実質的な開業資金の下限を決めています。

何にいくらかかるのか(内訳)

賃貸事務所で株式会社を設立するパターンの内訳です。開業費用は大きく5つの塊に分かれます。

図2費用の内訳 — 賃貸事務所で開業の場合株式会社・賃貸事務所(賃料15万円)・保証協会に加入
  • 会社設立6%217,000円
  • 免許申請1%38,000円
  • 営業保証(協会・供託)36%1,350,000円
  • 事務所45%1,660,000円
  • 設備・備品12%450,000円
  • 合計3,715,000円

法定費用は法令で額が定まるもの、それ以外は相場の目安です。項目ごとの根拠は費用項目の一覧をご覧ください。

注目すべきは、営業保証と事務所の2つで全体の8割前後を占めることです。会社設立の費用は総額の1割にも届きません。「株式会社にすべきか合同会社にすべきか」で悩む時間より、事務所をどうするかを先に決めるほうが、資金計画への影響はずっと大きいといえます。

それぞれの項目が何のための費用で、いくらが法律で決まっている額なのかは、開業費用の全項目一覧で1つずつ説明しています。

見落としやすい「空家賃」

事業計画からもっとも漏れやすいのが、免許が下りるまで営業できないのに家賃だけが発生する期間の費用です。宅建業免許の申請には、写真・固定電話まで整った事務所の実体が必要なため、物件の契約が先、免許はその後という順番になります。

図3物件契約から営業開始までの流れと空家賃賃料+共益費が月160,000円の場合の試算。

売上ゼロのまま家賃だけが出ていく期間3ヶ月 / 48万円

  1. 物件契約

    家賃が発生しはじめる

  2. 免許申請

    事務所の実体が必要

  3. 審査

    おおむね30〜60日

  4. 保証協会の手続き

    分担金・入会金

  5. 営業開始

    ここから売上

事務所は「先に契約」が必要免許申請には写真・固定電話まで整った事務所が要るため、免許を待ってから借りることができません。

審査期間は都道府県・時期により異なります。埼玉県・千葉県・東京都では標準処理期間や運用が異なるため、申請先の公表情報をご確認ください。

知事免許の審査だけでおおむね30〜60日。そのあとの保証協会の手続きにも時間がかかるため、物件の契約から営業を開始できるまでは2.5〜3.5ヶ月程度をみておくのが一般的です(期間は都道府県・時期や手続きの進め方によって異なります)。上の例では48万円が、何も生まないまま出ていく計算になります。

対策はシンプルで、フリーレントの交渉です。「宅建業免許の取得期間中で、免許が下りるまで営業できない」という事情は貸主にも説明しやすく、1〜2ヶ月分の免除を得られれば、そのまま数十万円の削減になります。

費用を左右する3つの分かれ道

開業費用の見積もりは、突き詰めると次の3つをどう決めるかです。それぞれ、金額だけを取り出して比べられるツールを用意しています。

分かれ道 1

差は約14万円

会社の形をどうするか

株式会社・合同会社・個人事業主で変わるのは設立の法定費用だけです。免許や保証協会の費用は同じなので、費用よりも信用・税務・将来の見通しで決めることになります。

株式会社と合同会社の費用を比べる

分かれ道 2

差は最大約892万円

営業保証をどう用意するか

営業保証金1,000万円を供託するか、保証協会に加入して分担金60万円+入会諸費用にするか。ほとんどの新規開業は協会加入を選びます。全宅と全日では入会諸費用が異なります。

全宅・全日・供託の費用を比べる

分かれ道 3

総額をいちばん動かす

事務所をどこに構えるか

自宅・レンタルオフィス・賃貸事務所で、初期費用と空家賃が大きく変わります。ただし宅建業の事務所には独立性の要件があり、費用だけでは選べません。

事務所の費用と空家賃を比べる

このうち3つ目の事務所は、費用だけで決められないのが難しいところです。宅建業の事務所には要件があり、とくに自宅の一室で開業する場合は、間取りや使い方によって認められるかどうかが変わります。判断は都道府県の審査によるため、契約や工事の前に確認しておくのが安全です。

自宅開業の要件については、あらためて詳しくご案内する予定です。お急ぎの場合は間取り図をお送りいただければ、個別に確認します。

費用を抑える4つの方法

  1. 1. 電子定款にする(40,000円の削減)

    書面の定款には収入印紙40,000円が必要ですが、電子定款なら不要です。専門家に依頼する場合はほぼ電子定款で対応します。

  2. 2. 特定創業支援等事業を使う(登録免許税が半額)

    市区町村の創業支援セミナー等を受けて証明を得ると、設立登記の登録免許税が半額になります(株式会社75,000円・合同会社30,000円)。対象や手続きは自治体により異なるため、会社を設立する前に確認してください。

  3. 3. フリーレントを交渉する(数十万円の削減)

    審査期間中の空家賃を圧縮できます。上の例では1ヶ月分で160,000円です。

  4. 4. 手元にある設備を使う

    パソコン・スマートフォン・事務机などをすでに持っているなら、その分は不要です。シミュレーターではこうした項目を1つずつ外して計算できます。逆に、看板(業者票)と事務所の固定電話は実務上ほぼ必須です。

ご自身の条件で計算してみてください

ここまでの内容はすべて標準的な条件での試算です。実際の賃料、手持ちの設備、宅建士証の有無を入れれば、そのままご自身の開業資金の見積もりになります。結果はJSONで保存でき、あとから読み込み直せます。

開業費用シミュレーターを使う

よくある質問

宅建業の開業費用は最低いくらから可能ですか?

保証協会に加入する前提では、自宅開業・個人事業主・手続きを自分で行う場合で約199万円が一つの目安です(運転資金を除く)。弁済業務保証金分担金600,000円と協会の入会諸費用は事務所の形にかかわらずかかるため、ここが実質的な下限になります。

賃貸事務所を借りるとどのくらい増えますか?

賃料15万円・共益費1万円の事務所を借りる想定では、敷金・礼金・仲介手数料・前家賃・保証料・保険に加えて、審査期間中の空家賃48万円を含めて約166万円かかります。自宅開業と比べると総額で百数十万円の差になります。

開業費用のほかに運転資金はいくら必要ですか?

売上が立つまでの家賃・広告費・生活費として、固定費の3〜6ヶ月分を用意しておくのが一つの目安です。仲介手数料の入金までには物件の成約から時間がかかるため、初期費用とは別に確保してください。金額はシミュレーターで調整できます。

株式会社と合同会社で、開業費用はどれくらい変わりますか?

電子定款・資本金300万円の条件では、設立の法定費用が株式会社202,000円に対して合同会社60,000円で、差は142,000円です。免許申請・保証協会・事務所の費用は同じなので、総額に占める差は数%にとどまります。

費用はいつ、どのタイミングで支払いますか?

事務所の契約金が最初で、次に会社設立の法定費用、免許申請の手数料と続きます。保証協会の分担金・入会金は、免許の手続きが進んだ段階で納めることになります(進め方や時期は協会・都道府県によって異なります)。いずれにしても営業を開始する前にほぼ全額が出ていくため、入金の見込みと合わせた資金繰りが必要です。

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契約や工事の前に、一度ご相談ください

司法書士・行政書士として、会社設立から宅建業免許の申請、保証協会の手続きまで一括でお手伝いしています。とくに事務所は、契約してから要件を満たさないと分かると空家賃がそのまま損失になります。間取り図や利用規約の段階での確認をおすすめします。

前提と出典

新規・知事免許(事務所は主たる事務所1か所)を前提とした金額。大臣免許(登録免許税9万円)は対象外。

「法定」区分は法令・公的手数料として額が定まっているもの(改定されることがある)。「目安」区分は地域・時期・事業者により変動する相場で、シミュレーター上で自由に編集できる。

  • 登録免許税(株式会社15万円〜・合同会社6万円〜、資本金の0.7%)(登録免許税法 別表第一。100円未満切り捨て)
  • 定款の収入印紙4万円(書面定款のみ)・電子定款は不要(印紙税法 別表第一)
  • 公証人の定款認証手数料(資本金100万円未満3万円/300万円未満4万円/それ以上5万円、起業者減額で1.5万円)(公証人手数料令。減額は資本金100万円未満等の要件を満たす場合)
  • 宅建業免許 新規申請手数料 33,000円(知事免許)(宅地建物取引業法施行令。都道府県収入証紙等で納付)
  • 宅建士 資格登録手数料 37,000円・宅建士証交付 4,500円(宅地建物取引業法施行令。法定講習の受講料は実施機関による)
  • 弁済業務保証金分担金 60万円(主たる事務所)/営業保証金の供託 1,000万円(宅地建物取引業法 25条・64条の9、同施行令)
  • 保証協会(全宅・全日)の入会諸費用、事務所・設備・専門家報酬の相場(2026年8月時点の調査(Gemini DeepResearch による各協会・事業者公表情報の集約)に基づく目安)

数値の確認日: 2026-08-26。法定費用は法令改正等で、相場の目安は地域・時期により変わることがあります。審査の要件・期間は各都道府県の運用によります。実際の資金計画は、各機関の最新情報と個別の見積りでご確認ください。