埼玉県で宅建業を始める方へ

埼玉県の宅建業免許新規申請完全ガイド

免許区分の判断から、事務所・専任宅建士、必要書類、申請、保証関係の手続、営業開始まで。埼玉県の手引きに沿って、開業準備の順番で整理します。

令和8年4月版手引き対応公式Web情報を2026年8月31日確認埼玉県知事免許を中心に解説

最初に結論

申請書を書き始める前に、事務所と専任宅建士を固め、会社の登記・契約書・平面図・写真が同じ事実を示す状態にすることが重要です。

申請後の審査だけで標準約35日かかります。会社設立や保証協会の準備も含め、営業開始日から逆算して進めます。

この記事の監修

小野田 敦士

司法書士・行政書士・宅地建物取引士

宅地建物取引業 埼玉県知事(03)第022240号

SECTION 01

埼玉県知事免許か、国土交通大臣免許か

判断基準は、本店所在地や営業エリアではなく、宅建業を営む事務所がいくつの都道府県に置かれるかです。

埼玉県知事免許

宅建業を営む事務所が、埼玉県内だけにある場合。県内に複数事務所があっても知事免許です。

国土交通大臣免許

宅建業を営む事務所が、二つ以上の都道府県にまたがる場合。免許の効力に上下の差はありません。

注意: 登記上の「支店」が直ちに宅建業法上の事務所になるとは限りません。反対に、登記上の支店でなくても、継続的に宅建業を行う実態があれば事務所に当たり得ます。

新規申請から営業開始までの全体像

APPLICATION JOURNEY

新規申請から営業開始まで

ページを進むと、車も開業へ向かって進みます。

S

開業計画

免許区分、法人・個人、専任宅建士、開業希望時期を決めます。

02

事務所

使用する物件を決め、独立性、継続性、使用権原を確認します。

03

会社設立

商号・目的・役員・本店を、宅建業免許の申請内容と整合させます。

04

埼玉県への申請

証明書、登記、契約書、平面図、写真をそろえて申請します。

05

保証協会への申請

埼玉県への申請後、少し遅れて保証協会の入会手続を始めます。

06

事務所調査

申請後、事務所の現地確認が行われます。

G

営業開始

免許通知と保証協会の手続完了後、免許証を受領して営業開始です。

SECTION 03

事務所・専任宅建士・人的要件

書類を集める前に、免許を受けられる体制ができているかを確認します。特に事務所は、物件を借りる前の確認が重要です。

事務所

継続的に業務を行える場所で、居住部分や他法人・他事業からの独立性、使用権原、設備等を確認します。

専任の宅地建物取引士

事務所ごとに、宅建業に従事する者5人につき1人以上。常勤性と専任性を満たす必要があります。

代表者・役員等

代表者、役員、政令使用人などについて、欠格事由への該当がないことを確認します。

事務所は、物件の種類だけで可否が決まるものではありません。自宅、他社同居、レンタルオフィス等の確認点は、宅建業の事務所要件でパターン別に説明しています。役員や専任宅建士の変更予定が近い場合は、申請時点だけでなく、営業開始時の体制まで見通して設計します。

SECTION 04

法人・個人・条件別の必要書類

埼玉県の手引きでは、申請書本体に加えて、申請者・役員・専任宅建士・事務所・財務を確認する書類が並びます。下記は全体を用途別にまとめたものです。

全申請で軸になる書類

  • 免許申請書(第一面〜第五面)
  • 宅地建物取引業経歴書・誓約書
  • 代表者・役員等の略歴書と身分関係書類
  • 専任の宅地建物取引士設置証明書・略歴書
  • 従事する者の名簿

法人申請で確認する書類

  • 履歴事項全部証明書
  • 相談役・顧問・5%以上株主等の一覧
  • 法人税の納税証明書
  • 貸借対照表・損益計算書等(新設法人は開始貸借対照表)

個人・該当者が用意する書類

  • 資産に関する調書(個人)
  • 住民票等(申請者本人など該当者)
  • 政令使用人・支店長等に関する書類
  • 行政庁の案内により追加を求められた疎明資料

事務所を証明する書類

  • 事務所を使用する権原に関する書面・契約書等
  • 事務所付近の地図・平面図
  • 外観・入口・室内等の写真
  • 固定電話等の契約を確認できる資料
有効期限にも注意: 官公署発行の証明書は、原則として申請日前3か月以内に発行された最新内容のものを準備します。申請形態や役員構成により、省略・追加される書類があります。
法人の新規申請に必要な19区分と、新設・既存法人の違いを詳しく見る

SECTION 05

登記・申請書・写真・平面図は、同じ事実を示すように

書類を一枚ずつ完成させても、相互の内容がずれていると補正になりやすくなります。申請前に横断して照合します。

照合する項目確認する資料よくあるずれ
商号・所在地法人登記、申請書、賃貸借契約書部屋番号、表記、移転登記の未反映
使用する区画賃貸借契約書、平面図、写真共用部との境界や専用入口が不明
役員・代表者法人登記、申請書、略歴書就退任日や氏名表記が一致しない
専任宅建士宅建士証、設置証明書、従業者名簿勤務先登録、常勤性、人数計算の不整合
電話・設備契約資料、写真、申請書番号の名義や事務所内の設置状況が不明

SECTION 06

窓口申請とeMLITの違い

埼玉県では窓口とオンラインの双方が案内されています。費用だけでなく、アカウント準備や原本確認も含めて選びます。

窓口申請

手数料
33,000円
予約
事前の電話予約が必要
提出
正本・副本、本人確認や委任関係の資料を用意

eMLITによるオンライン申請

手数料
26,500円
予約
窓口予約は不要
事前準備
GビズIDプライムが必要。取得に時間を要する場合あり

手数料・申請方法は変更されることがあります。提出直前に埼玉県の公式案内で再確認してください。

SECTION 07

会社設立・免許・保証関係の費用

「申請にかかる費用」は一つではありません。法定費用、証明書等の実費、保証関係の資金、専門家報酬を分けて考えます。

会社設立

登録免許税、株式会社なら定款認証費用等。会社形態・資本金等で変動

免許申請

窓口33,000円/eMLIT 26,500円

証明書・実費

登記事項証明書、身分関係書類、郵送費等

営業保証金を供託

主たる事務所1,000万円、従たる事務所1か所につき500万円

保証協会へ加入

弁済業務保証金分担金は主たる事務所60万円、従たる事務所1か所につき30万円。入会金・会費等は別途

当事務所への依頼

標準的な法人新規は、会社設立から免許申請・保証協会入会手続まで99,000円(税込)。法定費用・実費等は別途

会社設立から保証協会入会までの申請代行サービスも用意しています。

サービスを見る

SECTION 08

申請から営業開始までの期間

埼玉県の新規申請は、書類が整ってからの標準処理期間が25営業日、実日数換算で約35日です。ただし、これは会社設立や事前準備、補正、保証関係の手続に要する期間を含みません。

表は横にスクロールできます

工程
事務所
会社設立
申請準備
県へ申請
事務所調査
免許通知
協会手続完了
営業開始
事務所・専任宅建士
最初に確定
会社設立
設立
申請準備
書類・写真
埼玉県への申請
申請から免許通知まで
事務所調査
現地確認
保証協会入会手続
県への申請直後に開始
免許証受領・営業開始
営業開始

これは順序と並行関係を示す概念図です。保証協会の入会手続は、埼玉県への申請とほぼ同時ですが、少し後から始まります。保証協会の手続完了は、埼玉県からの免許通知より少し後になる想定です。会社形態、物件、書類の準備状況、各機関の確認状況により実際の期間は変わります。

営業開始日を決めるときは、「申請した日から約35日」ではなく、事務所確定・会社設立・申請準備・埼玉県への申請・事務所調査・保証協会手続・免許証受領までを一続きで見積もります。埼玉・東京・千葉の期間と並行工程はこちらで比較できます。

SECTION 09

免許後の供託・保証協会・営業開始準備

免許通知はゴールではありません。営業保証金の供託または保証協会の手続を終え、免許証を受領して営業開始へ進みます。

STEP 01

免許通知

審査完了後の案内を確認

STEP 02

保証関係

供託または保証協会加入を完了

STEP 03

免許証受領

必要資料を整えて交付を受ける

STEP 04

営業準備

業者票、報酬額表、帳簿・従業者名簿等を整備

SECTION 10

よくある不備

補正自体は珍しくありませんが、営業開始予定を遅らせないため、事前に生じやすい不整合をつぶします。

事務所写真だけでは、独立性や使用区画が分からない

賃貸借契約の用途や借主が、申請内容と合っていない

登記・申請書・略歴書の住所、氏名、就任日がずれている

専任宅建士の常勤性・専任性を説明できない

証明書が申請日前3か月を超えている

申請後に役員、本店、事務所レイアウトを変えてしまう

SECTION 11

自分で申請する場合と、専門家へ依頼する場合

自分での申請も可能です。違いは、申請書の作成だけでなく、会社設立・事務所・保証関係まで含めて全体を誰が管理するかです。

比較自分で申請専門家へ依頼
向いている人手引きを読み、役所・協会との確認に時間を使える開業準備や営業に時間を振り向けたい
書類収集取得先と有効期限を自分で管理代理取得できる資料の収集を任せられる
事務所確認県へ照会し、自分で資料を整える契約前から要件と資料の整合を確認
補正対応指摘内容を理解して期限内に修正通常の補正まで一連で対応
保証関係免許申請とは別に自分で進行免許後まで同じ工程表で管理

SECTION 12

よくある質問

申請が受理されれば、すぐ広告や営業を始められますか?+

始められません。審査後に保証関係の手続を行い、免許証の交付を受けてから営業を開始します。免許証受領前の広告・営業は避けてください。

埼玉県知事免許と国土交通大臣免許は、どちらが上ですか?+

上下の違いではありません。宅建業を営む事務所が一つの都道府県内だけなら知事免許、二つ以上の都道府県にまたがるなら大臣免許です。

自宅を宅建業の事務所にできますか?+

一律に不可ではありませんが、居住部分や他事業からの独立性、継続して業務を行える設備・使用権原などを個別に確認する必要があります。契約前の確認が安全です。

新設法人にも決算書が必要ですか?+

営業実績のある法人と提出書類が異なります。埼玉県の手引きでは、新設法人は通常の直前期決算書に代えて開始貸借対照表を提出する扱いが示されています。

eMLITなら審査も早くなりますか?+

オンラインで提出できることと、審査期間が短縮されることは別です。eMLITでも内容審査と補正対応があり、書類の整合性が重要です。

保証協会に入らず開業できますか?+

可能ですが、その場合は主たる事務所について営業保証金1,000万円を供託する方法が基本です。保証協会へ加入する場合は、主たる事務所の弁済業務保証金分担金60万円のほか、入会金・会費等が必要です。

会社設立前と設立後、どちらで相談すべきですか?+

設立前がおすすめです。会社の目的、本店、役員、事務所、専任宅建士を免許要件に合わせて設計でき、設立後の変更登記や契約のやり直しを避けやすくなります。

会社設立から保証協会まで、ひとつの窓口で

標準的な法人新規について、会社設立、代理取得できる公的証明書の収集、免許申請、保証協会の入会手続まで対応します。

主な確認資料

本記事は一般的な申請実務を整理したものです。個別案件では、最新の公式案内と申請先の指示を確認してください。