重要事項説明書 私道・インフラ|62-1

【簡単診断】重要事項説明書の電気|自由化・一括受電・工事費の調べ方

重要事項説明書の電気は、自由化後にどう書けばよいですか?

電力会社を自由に選べるなら、重説の電気欄には何を書けばよいのでしょうか。マンションでも同じですか。建替えやEV充電で工事が必要な場合の費用も、調べておく必要がありますか。

電力会社を選べることと、必要な電気を使えることは別です

電力自由化は、原則として電気を買う契約先を選べる制度です。引込線や建物内の設備まで自由に変更できるわけではありません。重説では、供給設備の状況、契約先を選べるか、未整備の場合の工事予定と特別な負担を確認します。

2016年4月から家庭等も小売電気事業者を選べるようになりました。通常の切替えは既存の送配電網を使います。ただし、マンションが建物全体で一括受電している場合には、各戸が個別に小売事業者を選べないことがあります。管理規約と実際の契約を確認してください。

電気を買う小売事業者、電柱や引込線の送配電事業者、建物内の幹線や分電盤を確認する電気工事店を分けた説明図
当事務所作成の概念図。設備の具体的な所有・保安の境界は供給方式と契約により確認します。電気工事店が建物内設備を所有するという意味ではありません。

制度と説明事項の根拠:資源エネルギー庁・電力自由化FAQ宅地建物取引業法35条1項4号

電気の供給状況と追加調査の簡単診断

当てはまる答えを押すと、あなたの場合の結論に色が付きます。

売買物件の電気を調べる
確認1電気の契約・供給方式は確認できていますか?
  • 確認2引込経路の問題や、設備を変更する予定はありますか?
    • 結論設備経路・土地の利用条件を確認
    • 結論予定設備に必要な工事を確認
    • 結論現況・契約先・利用条件を記載
  • 結論管理規約・一括受電契約を確認
  • 結論供給可否・工事・費用を照会
  1. 確認1電気の契約・供給方式は確認できていますか?
    結論管理規約・一括受電契約を確認
    結論供給可否・工事・費用を照会
  2. 確認2引込経路の問題や、設備を変更する予定はありますか?
    結論設備経路・土地の利用条件を確認
    結論予定設備に必要な工事を確認
    結論現況・契約先・利用条件を記載
  • 管理規約・一括受電契約を確認

    各戸が契約先を選べるか、供給事業者・契約期間・料金・変更条件を管理会社等へ照会します。共用部の契約だけを見て判断しません。

  • 供給可否・工事・費用を照会

    売主資料と現地で状況を調べ、計画に応じて電気工事店等から送配電事業者へ事前協議します。電柱の位置だけでは供給条件を確定できません。

  • 設備経路・土地の利用条件を確認

    電柱、架空線・地中線の経路と所有・管理、他人地の使用合意を調べます。建替えや引込替えに必要な協議も確認します。

  • 予定設備に必要な工事を確認

    IH・EV充電・建替え等の計画を工事店へ伝え、引込、幹線、分電盤と工事費を確認します。契約アンペアだけで対応可能とは判断しません。

  • 現況・契約先・利用条件を記載

    契約資料と現地を照合し、現契約の小売事業者、個別契約の可否、休止・撤去等の状況を記録します。引渡し時の契約手続も確認します。

追加調査の目安です。経路の問題と設備変更が両方ある場合は、両方を調べます。契約先の選択と設備の供給能力は別です。

契約・供給方式と買主の利用計画から、電気の追加調査を選ぶ診断。当事務所作成。

電気の調査で、契約資料と現地から確認すること

確認項目資料・確認方法
現在の契約先売主の検針・請求情報、契約内容、供給地点特定番号を確認。小売事業者名を送配電事業者名と混同しない。個人情報の取得・照会には売主の協力を得ます。
引込・メーター現地写真と売主資料で引込線、メーター、撤去・休止の状況を確認。メーターがあることだけで通電中とは判断しません。
容量・建物内設備現在の契約容量、幹線・分電盤等の資料、買主の用途と機器を確認。100V・200Vの利用や容量増加の可否は工事店等に確認します。
契約先の制限分譲マンションは管理規約、重要事項調査報告書、一括受電契約等で各戸の契約方式を確認。共用部と専有部を分けます。
土地・経路敷地内電柱、隣地上空の架空線、私道・他人地の地中線、隣家への供給設備を確認。土地・設備の権利者と使用合意も調べます。
整備予定と費用工事内容・供給開始の見通し・見積条件・負担者を確認。通常の月額料金と、供給設備の工事費負担金は別です。

空き家で電気が止まっている場合

使用契約が終了しているだけなのか、メーターや引込線まで撤去されたのかを調べます。再開手続だけで使えるのか、設備工事・点検が必要かも確認します。売主の解約と買主の申込みの時期を合わせ、引渡し日に使えると約束するなら、その根拠を残してください。

マンションの一括受電で確認すること

管理会社等に『この住戸は個別に小売電気事業者を選べますか』と尋ねます。一括受電事業者名、契約期間・更新、住戸の料金、設備管理・停電時対応、売買に伴う手続を確認します。共用部だけがまとめて契約している物件を、各戸も一括受電と説明しないでください。

埼玉県・東京23区で電気の供給設備を調べる方法

  • 物件と現在の利用状況を特定する

    所在地・地番・案内図、供給地点特定番号、売主契約、メーター・引込の写真を用意します。更地・新築・建替えなら、配置図と予定用途・使用機器も用意します。

  • 契約と設備の問い合わせ先を分ける

    利用開始・料金・小売契約は希望する小売事業者へ。引込方法・ルート・供給設備の工事は、電気工事店等から東京電力パワーグリッド等の担当へ確認します。一括受電はまず管理会社等へ。

  • 設備変更が必要なら事前協議する

    新たな供給設備が必要な土地では、供給方法とルートを設計前に協議します。地中引込を希望する場合や集合住宅を新築する場合も、希望・建築計画に対応できるかを確認します。東京電力PGの公式窓口は電気工事店・電気主任技術者等向けです。仲介担当だけで技術的な可否を確定しません。

  • 条件を保存し、重説と契約を整合させる

    回答日・部署・担当者、計画条件、設備工事と費用の内訳、供給予定時期、承諾等の未了事項を保存します。売主・買主がどの費用を負担するか、契約でも確認します。

担当事業所は埼玉県の所在地別一覧、東京都の所在地別一覧から探します。行政の市区町村窓口ではなく、物件所在地を担当する送配電事業者の窓口です。自治体の区境と事業者の担当区分が同じとは限りません。訪問前に、照会目的と必要資料・受付方法を確認してください。

窓口での質問例:未引込・建替え・容量変更

  • 対象地と買主の計画『地番○番○、添付図の土地です。既存戸建てを建て替え、IHとEV充電設備を予定しています。この計画で必要な供給方法と事前協議の窓口を教えてください。』
  • 工事と利用開始『既存引込を再使用できますか。引込線・電柱・地中線や建物内幹線の変更は必要ですか。供給開始時期を判断するために何を提出すればよいですか。』
  • 費用と他人地『供給設備の工事費負担金は発生しますか。適用条項・見積条件・支払先を教えてください。他人地を使う場合の協議・承諾は誰が行い、どの資料が必要ですか。』

地中線の確認は設備照会・施工協議の案内も参照します。設備図だけで土地の使用権限を確定せず、私道の工事が必要なら通行・掘削承諾の調査も行います。

供給設備の調査先:東京電力PG・供給に関する事前協議埼玉県・担当事業所検索東京都・担当事業所検索

重要事項説明書の電気欄と備考の記載例

使用する書式の『小売電気事業者』『特定の事業者から供給を受けなければならない場合』『整備予定・負担金』等を確認します。小売事業者欄を送配電事業者名で埋めず、現契約と買主の契約を区別してください。次の例は確認済みの事実だけを記載するための架空例です。

状況記載例・確認上の注意
戸建て・個別契約『現契約の小売電気事業者:A電力株式会社。個別の小売契約による供給。買主は利用開始までに選択した小売電気事業者との契約手続を行う。』現契約名は売主資料で確認し、設備状況を別に記録します。
各戸も一括受電『本マンションはB社による一括受電。各住戸で小売電気事業者を個別に選択できない。料金・利用手続等は別添資料による。』事業者の名称・所在地・連絡先、適用契約・規約を確認。B社を根拠なく小売電気事業者と呼ばないでください。
未引込・工事条件確認済み『電気引込未整備。○年○月○日付回答によれば、別添配置図の計画で引込工事を要する。供給開始見込み○年○月、○工事の費用は○円、買主負担。計画変更時は再協議を要する。』日付・金額は実際の回答に置き換えます。

供給時期・費用が未確定なら『0円』『工事不要』『直ちに利用可能』と推測しません。未了調査と想定条件を担当宅建業者・宅建士に伝え、契約前に確定すべき事項と説明文を判断してください。

電気の負担金は、月額料金や宅内工事費と分けます

費用誰に何を確認するか
供給設備の工事費負担金送配電事業者の供給設備に関する費用。東京電力PGの託送供給等約款70・71等に負担・精算の定めがあります。工事があるだけで必ず発生するとは限りません。小売事業者・工事店を通じ、適用条件と計算書を確認します。
建物内の電気工事幹線・分電盤・コンセント・EV充電設備等の工事見積り。送配電設備の工事が無償でも、宅内工事が無料という意味ではありません。工事店へ別に見積りを依頼します。
移設・特殊な引込等電柱移設・引込方法変更等の理由と希望条件を伝え、申込人負担の有無を確認。必要な権利者の同意、復旧工事等の範囲も確認します。
契約・使用の料金毎月の電気料金、一括受電の利用料金、個別契約の解約・手続費等。供給施設の整備負担金と混同せず、買主に承継される条件を確認します。

負担金の名称・工事範囲・支払先・金額・支払時期・売主買主の負担・見積有効期限を控えます。見積り未取得を『0円』にはしません。新築や建替えの設備費すべてが、重説の特別な負担に当たるわけでもありません。供給条件に関わる費用と買主が任意に選ぶ機器の費用を区別してください。

供給設備の費用の根拠:東京電力PG・託送供給等約款(2026年10月1日実施)70・71等

電気が使えた実績だけでは、買主の計画に対応できるか分かりません

売主が30Aで暮らしていた家でも、買主がIH・給湯設備・EV充電を導入するなら、追加工事の検討が必要です。一方、小売事業者の変更だけなら、通常は引込線を新設する話ではありません。買主が何を変更するのかを聞き、その内容に応じて調査します。

不動産物件調査・重要事項説明書作成代行

供給資料・契約条件の確認から重説ドラフト作成まで対応します

  • 電気の供給設備・個別契約・一括受電の確認
  • 未整備設備、工事条件、費用負担と未確認事項の整理
  • 埼玉県全域・東京都23区の売買物件に対応

標準的な1物件88,000円(税込)、公的資料取得実費は別途です。電気設備の点検・設計・工事・容量判定等は電気工事店等への依頼が必要です。供給能力を保証するサービスではありません。最終確認と宅建士による説明は、取引を担当する宅建業者で行います。

所在地、売主の設備・契約資料、買主の利用計画をお知らせください。

物件調査・重要事項説明書の作成を相談する埼玉県全域・東京都23区/売買物件

電気の重説調査でよくある質問

電力自由化なら、マンションでも契約先を自由に選べますか?

各戸で個別契約している場合と、建物全体の一括受電では異なります。専有部の契約方式と管理規約を確認します。共用部の電気契約だけで判断しません。

電柱が近くにあれば、引込費用はかかりませんか?

距離だけでは決まりません。供給方法、ルート、必要設備、希望条件によって異なります。送配電設備の工事費負担金と建物内の工事費を分けて見積りを確認します。

売主の契約アンペアを増やせば、EV充電もできますか?

契約変更だけで足りるとは限りません。充電設備の仕様と他の機器の使用を工事店等へ伝え、引込・幹線・分電盤等の対応を確認します。

電気とガスは同じ会社に聞けば調査できますか?

同じ小売会社から請求されていても、送配電設備とガス配管の管理者・資料は別です。ガスの本管・引込管・設備費用の調べ方も参照してください。

2026年10月10日に公式案内を確認。図と記載例は説明用の架空例です。一般的な売買物件の調査を扱い、電気設備の安全・容量・工事可否を判定する記事ではありません。設備調査は電気工事店等へ依頼し、物件の契約・規約・事業者回答を確認してください。