重要事項説明書の「供託所等に関する説明」はどこを見て書く?全宅・全日、埼玉・東京の確認先
供託所等に関する説明は、どこを見て書けばいいですか?
重要事項説明書に、保証協会の名称・住所、所属地方本部、弁済業務保証金の供託所を書く欄があります。全宅と全日で何が違い、会社が埼玉県・東京都の場合はどこを確認すればよいのでしょうか。
所属する保証協会、本店所在地、東京法務局の順に確認します
保証協会へ加入している会社は、最初に会員資料で全宅保証か不動産保証協会かを確定します。次に、その宅建業者の本店所在地から埼玉・東京の地方本部を確認します。両保証協会とも、弁済業務保証金の供託所は東京法務局です。
ここで基準になるのは物件の所在地ではなく、供託所等を説明する宅建業者の所属です。埼玉県の物件を東京都本店の会社が仲介するなら、東京都の地方本部を確認します。反対に、東京23区の物件でも埼玉県本店の会社なら、埼玉県側の地方本部を確認します。
供託所等の欄に何を書くかの診断フローチャート
当てはまる答えを押すと、あなたの場合の結論に色が付きます。
- 確認2全宅保証の場合、本店は埼玉県ですか、東京都ですか?
- 結論全宅保証・埼玉本部・東京法務局
- 結論全宅保証・東京本部・東京法務局
- 確認3不動産保証協会の場合、本店は埼玉県ですか、東京都ですか?
- 結論不動産保証協会・埼玉県本部・東京法務局
- 結論不動産保証協会・東京都本部・東京法務局
- 結論供託書に書かれた供託所を記載
- 確認1その宅建業者は、どちらの保証協会に入っていますか?結論供託書に書かれた供託所を記載
- 確認2全宅保証の場合、本店は埼玉県ですか、東京都ですか?結論全宅保証・埼玉本部・東京法務局結論全宅保証・東京本部・東京法務局
- 確認3不動産保証協会の場合、本店は埼玉県ですか、東京都ですか?結論不動産保証協会・埼玉県本部・東京法務局結論不動産保証協会・東京都本部・東京法務局
- 全宅保証・埼玉本部・東京法務局
名称・住所は公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会(東京都千代田区岩本町2丁目6番3号)、事務所の所在地は埼玉本部(埼玉県さいたま市浦和区東高砂町6番15号)を書きます。供託所は東京法務局(東京都千代田区九段南1丁目1番15号)です。
- 全宅保証・東京本部・東京法務局
名称・住所は公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会(東京都千代田区岩本町2丁目6番3号)、事務所の所在地は東京本部(東京都千代田区有楽町1丁目9番1号)を書きます。供託所は東京法務局(東京都千代田区九段南1丁目1番15号)です。
- 不動産保証協会・埼玉県本部・東京法務局
名称・住所は公益社団法人 不動産保証協会(東京都千代田区紀尾井町3番30号)、事務所の所在地は埼玉県本部(埼玉県さいたま市浦和区高砂3丁目10番4号 全日埼玉会館)を書きます。供託所は東京法務局(東京都千代田区九段南1丁目1番15号)です。
- 不動産保証協会・東京都本部・東京法務局
名称・住所は公益社団法人 不動産保証協会(東京都千代田区紀尾井町3番30号)、事務所の所在地は東京都本部(東京都千代田区平河町1丁目8番13号 全日東京会館)を書きます。供託所は東京法務局(東京都千代田区九段南1丁目1番15号)です。
- 供託書に書かれた供託所を記載
供託書の正本・写しや営業保証金供託済届出書の控えを見て、実際の供託所と所在地を書き写します。
地方本部は、物件の所在地ではなく、説明する宅建業者の本店所在地で決まります。大臣免許業者や複数の都県に事務所がある会社は、加入資料で所属の地方本部を確認します。所在地は2026年8月30日時点のものです。契約時点の会員資料と公式案内も見てから書きます。
住所を調べる前に確認する4点
- どの宅建業者の情報を書くのか売主業者、媒介業者、代理業者など、今回の取引に関与し、35条の2の説明を行う業者を一社ずつ整理します。複数業者の情報を一つの欄へ混ぜません。
- 保証協会加入か、営業保証金の直接供託かまず二つの制度を分けます。保証協会加入業者なら協会・地方本部・東京法務局を確認し、直接供託業者なら供託書等に記載された実際の供託所を確認します。
- 全宅保証か、不動産保証協会か全宅連・都県宅建協会と、全国宅地建物取引業保証協会は別の法人です。同様に、全日本不動産協会と不動産保証協会も別の法人です。保証協会の正式名称を会員資料で確定します。
- 宅建業者の本店は埼玉県か東京都か地方本部は物件所在地や担当支店だけで選びません。主たる事務所を確認し、大臣免許業者や複数都県に事務所がある会社は、その会社の加入資料で所属地方本部を照合します。
保証協会加入から記載までの確認順
- 説明を行う宅建業者を一社ずつ並べる
売買契約書案、媒介契約書、前面の宅建業者欄から、取引に関与する免許業者を確定します。供託所等欄も業者ごとの情報です。
- 会員資料で保証制度を確認する
自社は保証協会加入時の資料・会員システム、他社は提供された供託所等情報や加入を確認できる資料を見ます。店頭のマークや会社サイトだけで推測しません。
- 保証協会の正式名称と住所を確認する
全宅系なら全国宅地建物取引業保証協会、全日系なら不動産保証協会です。協会の公式所在地ページと最新会員書式で、全国組織の主たる事務所を照合します。
- 本店所在地から所属地方本部を確認する
埼玉県本店か東京都本店かを分け、最新の地方本部一覧を確認します。保存済みの重説テンプレートへ古い所在地が残っていないかも見ます。
- 弁済業務保証金の供託所を確認する
全宅保証・不動産保証協会はいずれも東京法務局です。法務省の供託所一覧で名称と所在地を確認します。地方本部の所在地を供託所として書くわけではありません。
- 資料名と確認日を案件記録へ残す
会員資料、地方本部公式ページ、供託所一覧の確認日を残します。契約直前に住所移転や加入先変更がないかを再確認します。
全宅・全日 × 埼玉・東京の4通り
以下は2026年8月30日時点の公式所在地を、重説の欄ごとに整理したものです。実案件では自社の会員資料、相手業者から受領した資料、契約時点の最新公式案内と照合してください。
| 所属 | 保証協会の名称・住所 | 事務所の所在地 | 弁済業務保証金の供託所 |
|---|---|---|---|
| 全宅保証・埼玉 | 公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会/東京都千代田区岩本町2丁目6番3号 | 同協会 埼玉本部/埼玉県さいたま市浦和区東高砂町6番15号 | 東京法務局/東京都千代田区九段南1丁目1番15号 |
| 全宅保証・東京 | 公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会/東京都千代田区岩本町2丁目6番3号 | 同協会 東京本部/東京都千代田区有楽町1丁目9番1号 | 東京法務局/東京都千代田区九段南1丁目1番15号 |
| 不動産保証協会・埼玉 | 公益社団法人 不動産保証協会/東京都千代田区紀尾井町3番30号 | 同協会 埼玉県本部/埼玉県さいたま市浦和区高砂3丁目10番4号 全日埼玉会館 | 東京法務局/東京都千代田区九段南1丁目1番15号 |
| 不動産保証協会・東京 | 公益社団法人 不動産保証協会/東京都千代田区紀尾井町3番30号 | 同協会 東京都本部/東京都千代田区平河町1丁目8番13号 全日東京会館 | 東京法務局/東京都千代田区九段南1丁目1番15号 |
全宅保証東京本部は、重要事項説明書の所属地方本部所在地を「東京都千代田区有楽町1丁目9番1号」とするよう案内しています。旧所在地の東京都千代田区富士見2丁目2番4号が残るテンプレートや保存済み別紙は更新します。
「名称・住所」は全国組織
全宅系では全国宅地建物取引業保証協会、全日系では不動産保証協会の正式名称と主たる事務所を記載します。都県の宅建協会や全日本不動産協会の名称へ置き換えません。
「事務所の所在地」は地方本部
その宅建業者が所属する埼玉本部・埼玉県本部、または東京本部・東京都本部を記載します。物件所在地や担当支店の所在地ではありません。
「供託所」は東京法務局
両保証協会の弁済業務保証金は東京法務局へ供託されています。埼玉の会員でも、地方本部の近くにあるさいたま地方法務局を書くわけではありません。
埼玉・東京で、どの資料と公式ページを確認するか
全宅保証の自社会員情報
保証協会加入時・変更時の資料と、会員サイト「ハトサポ」の最新書式・地方本部一覧を確認します。東京本部は移転告知が出ているため、以前ダウンロードした別紙をそのまま使いません。
全宅保証の埼玉本部・東京本部
埼玉本部は埼玉県宅建協会の公式アクセス、東京本部は東京都宅建協会・全宅保証東京本部の問い合わせページと移転告知で確認できます。支部の住所ではなく地方本部の住所を使います。
不動産保証協会の会員情報
加入時・変更時の資料、会員マイページ・ラビーネットの最新書式で確認します。公開情報では、不動産保証協会の会員検索と、全日・保証の地方本部一覧を照合できます。
他社の加入先を確認するとき
相手業者から、現在使用している供託所等の説明情報と加入を確認できる資料を受け取ります。公開会員検索は照合に使えますが、同名会社や変更直後もあるため、検索結果だけで確定しません。
営業保証金を直接供託する業者
供託書正本・写し、営業保証金供託済届出書控え等から、実際の供託所と所在地を転記します。主たる事務所が埼玉県ならさいたま地方法務局管内、東京23区なら東京法務局本局が候補になりますが、所在地だけで推測しません。
確認した公式・業界団体資料:宅地建物取引業法35条の2(e-Gov)買主が宅建業者の場合の記載例(全宅連)全宅保証東京本部の移転告知埼玉県宅建協会・全宅保証埼玉本部不動産保証協会の所在地全日・保証の地方本部一覧供託所一覧表(法務省)
買主が宅建業者の場合は、説明先と記載欄を分けて考えます

小野田 敦士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
35条の2が法律上義務付けているのは、契約成立までの供託所等の説明です。実務では重要事項説明書の専用欄へ記載して、説明記録を残します。
買主が宅建業者であれば、その買主に対する35条の2の説明は不要です。しかし、買主宅建業者と関与する媒介業者は、宅建業者ではない売主へ、それぞれ自社の供託所等を説明します。国土交通省の様式例では供託所等に関する説明を「Ⅲ その他の事項」に置き、全宅連版では「媒介・買主宅建業者記入欄」に記載する整理です。
| 取引 | 売主 | 買主 | 35条の2の扱い | 書式上の処理 |
|---|---|---|---|---|
| 一般売主・買主宅建業者 | 宅建業者ではない | 宅建業者 | 買主宅建業者と関与する媒介業者が、一般売主へ各自の供託所等を説明 | 「その他の事項」等にある供託所等の専用欄へ、媒介業者・買主宅建業者ごとに記載 |
| 売主・買主とも宅建業者 | 宅建業者 | 宅建業者 | 35条の2は宅建業者である相手方等を説明対象から除外 | 全宅連の記載例では供託所等欄を斜線で削除。実際に使用する書式の記載要領も確認 |
特定の欄への書面記載そのものを条文が要求しているわけではありませんが、国土交通省は書面へ記載して交付することが望ましいとしています。自由記載の特約を一文追加するだけではなく、協会名、地方本部、供託所を業者ごとに記載します。
供託所等欄は、物件調査で役所へ行って確認する項目ではありません。取引に関与する会社の保証制度と所属を確認する会社資料の項目です。埼玉物件だから埼玉本部、東京物件だから東京本部と入力すると、都県をまたぐ仲介で誤ります。
もう一つの事故原因は、以前の案件から住所一式をコピーすることです。実際に全宅保証東京本部は2026年6月に移転しました。協会名が同じでも、地方本部所在地は変わり得ます。案件ごとに会員資料と最新公式ページの確認日を残します。
売主業者と媒介業者、共同媒介の各社が関与する場合は、各社の情報を別々に確認します。一社が全宅保証、もう一社が不動産保証協会という組合せもあります。「同左」で処理できるのは、名称・住所・所属地方本部・供託所が本当に一致すると確認できた場合だけです。
物件調査から重要事項説明書の作成まで対応します
- 埼玉県全域・東京都23区の売買物件に対応
- 取引資料の確認、現地・役所・法務局等の調査、重要事項説明書ドラフト作成
標準的な1物件88,000円(税込)。公的資料取得実費は別途です。
保証協会、地方本部、供託所を会社ごとに照合し、標題部から各調査項目まで整合を確認します。
物件調査・重要事項説明書の作成を依頼するサービス内容とご依頼の流れをご確認いただけます。供託所等に関する説明でよくある質問
全日の会員なら、保証協会名に「全日本不動産協会」と書きますか?
書きません。保証協会の正式名称は「公益社団法人 不動産保証協会」です。全日本不動産協会は母体となる別法人なので、重説の保証協会欄では区別します。
全宅の会員なら、保証協会名に都県の宅建協会を書きますか?
書きません。保証協会の正式名称は「公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会」です。埼玉県宅地建物取引業協会や東京都宅地建物取引業協会は、所属地方本部を確認する窓口になりますが、保証協会名そのものではありません。
全宅保証と不動産保証協会で、弁済業務保証金の供託所は違いますか?
2026年8月30日時点では、どちらも東京法務局です。ただし、協会の正式名称・主たる事務所と所属地方本部の名称・所在地は異なります。
埼玉県の物件なら、必ず埼玉の地方本部を書きますか?
いいえ。基準は物件所在地ではなく、供託所等を説明する宅建業者の所属です。東京都に本店がある会社なら東京側の地方本部を確認します。大臣免許業者等は当該会社の加入資料で個別に照合してください。
供託所等に関する説明は、必ず宅建士が行いますか?
宅建業法35条の2は宅建業者を義務主体としており、この説明だけを行う者に宅建士資格を求める規定ではありません。35条の重要事項説明とは条文が別ですが、実務では重要事項説明書へ記載し、契約前に一緒に説明して記録を残す形が一般的です。
買主が宅建業者の場合も、買主へ供託所等を説明しますか?
買主宅建業者への説明は不要です。ただし、売主が一般の法人・個人なら、買主宅建業者と関与する媒介業者は、その一般売主へ各自の供託所等を説明します。実務では「その他の事項」等にある供託所等の専用欄へ、媒介業者・買主宅建業者の情報を記載します。