重要事項説明書 法令上の制限|44-1

東京23区のワンルーム規制|区別の調査先と重説の書き方

東京23区なら、どこも同じワンルーム条例を調べればよいですか?

東京23区で小規模な共同住宅を建てられる土地を売買します。ワンルーム条例という言葉を聞きましたが、何戸から対象になるのか、どの区の何を見ればよいのか分かりません。既存の区分マンションを売る場合も同じ調査が必要でしょうか。

区・建築計画・売買対象を確かめてから調べます

東京23区に共通する一つの「ワンルーム条例」はありません。区の条例、指導要綱、地区計画、税を別々に確認します。対象となる住戸の面積、戸数、階数、建物用途、敷地の所在区域は区によって異なります。土地を買って新築する場合は計画建物の条件で判定し、既存建物の売買では建築・届出の履歴と今後の増改築や建替えの扱いを分けて調べます。

たとえば新宿区は、現行の対象を地階を除く3階以上・30㎡未満の住戸10戸以上と案内しています。一方、台東区は集合住宅の総戸数10戸以上を入口にします。中央区は地区計画がある場所かどうかが重要です。同じ小規模住戸でも、戸数・階数・用途の組合せが違うため、別の区の基準では判定できません。

制度を見落とすと、予定戸数を減らす、家族向け住戸や駐輪場を追加する、設計をやり直す、届出のため着工を遅らせる、といった対応が必要になります。ただし、条例や要綱があるだけで、既存の一室を買う人に直ちに建築主向けの義務が生じるわけではありません。

東京23区のワンルーム規制を重説にどう書くかの診断

当てはまる答えを押すと、あなたの場合の結論に色が付きます。

東京23区の土地・建物を売買する
確認1何を売買しますか?
  • 確認2買主の計画は、階数・戸数・住戸面積まで決まっていますか?
    • 結論計画案を区へ照会した結果を記載
    • 結論適用の有無は未確定と記載
  • 結論建築時の届出と現在の管理を記載
  • 結論管理規約と建替え等の予定を確認
  1. 確認1何を売買しますか?
    結論建築時の届出と現在の管理を記載
    結論管理規約と建替え等の予定を確認
  2. 確認2買主の計画は、階数・戸数・住戸面積まで決まっていますか?
    結論計画案を区へ照会した結果を記載
    結論適用の有無は未確定と記載
  • 計画案を区へ照会した結果を記載

    計画案の階数・戸数・住戸面積を区の担当課へ示し、対象になる制度と手続を照会します。重説には照会日・部署・回答を書き、計画を変えたときは再照会が必要と書きます。

  • 適用の有無は未確定と記載

    区の制度と対象条件を書き、計画が未定のため適用の有無は確定していないと書きます。「対象外」とは書かず、計画を決める前に区の担当課へ事前相談するよう案内します。

  • 建築時の届出と現在の管理を記載

    建築時の計画書・完了届の写しと、現在の管理方法を確認して書きます。増改築・用途変更・建替えのときは、現行の制度を区へ確認します。

  • 管理規約と建替え等の予定を確認

    新築時の建築主向けの届出は、一室の買主の義務ではありません。管理規約と、用途変更・増改築・建替えの予定があるかを確認して説明します。

対象になる住戸面積・戸数・階数は、区ごとに違います。所在地の区の現行の条例・要綱・手引きで確認します。

東京23区のワンルーム規制について、売買の対象ごとに何を調べて書くかの判断です。各区の公式資料と国土交通省の資料に基づき当事務所作成。

「ワンルーム」の面積と、対象となる行為を先に確認します

先に決めること何を確認するか資料
取引対象更地・建替え前提の土地か、既存の一棟か、区分所有の一室か。売買契約案、建物登記、物件概要。
計画・現況新築・増築・改築・用途変更の予定、建物用途、階数、総戸数、各住戸の専用面積。建築計画案、各階平面図、住戸面積表、確認申請図書。
区の制度条例か要綱か、地区計画による建築制限か、税か。基準日・経過措置も確認。区の現行条例・規則・要綱・手引き・改正案内。
敷地の位置地区計画や区境にかかるか。中央区のように区域により扱いが変わる例がある。公図、案内図、地区計画図、区への照会記録。

ワンルーム住戸とする専用面積の基準も区ごとに違います。新宿区は30㎡未満、港区は37㎡未満、板橋区は35㎡未満です。壁芯・内法、メーターボックス等の算入も資料の定義で確認し、登記面積だけで戸数を分類しません。

  • 新築用地なら、買主の計画案をもらう単なる『共同住宅用地』という利用目的だけでは対象判定に必要な戸数・階数・面積が分かりません。案が未定なら適用の有無は判定できないこと、計画が具体化した段階で所管部署への確認が必要なことを記載します。
  • 既存一棟なら、建築時の届出と現在の管理を確認する建築計画書、事前協議、完了届、管理規約・管理計画、住戸面積表を取得します。現行基準だけで建築当時の適否を判定しません。
  • 区分所有の一室なら、建物全体の制度と買主への影響を分ける建物全体の建築・管理上の取扱い、管理規約、今後の用途変更・増改築・建替えの予定を確認します。一室の通常売買を、新築建築主に対する届出と同一視しません。

対象となる住戸数・階数を調べ、区へ図面で照会します

  • 所在区と地区計画の有無を特定する

    地番と住居表示、敷地範囲を確定します。地区計画による制限は区内の全域に同じようにかかるとは限りません。

  • 区の現行資料と改正案内を開く

    条例本文だけでなく、施行規則、手引き、要綱、届出様式、施行予定日、経過措置を見ます。検索結果の抜粋や古い比較表では確定しません。

  • 面積・戸数・階数・用途を計画図面で数える

    『15戸以上』が総戸数なのか小規模住戸数なのかまで確認します。住戸の定義に寮・寄宿舎・長屋を含む区もあります。

  • 区の担当部署に図面を示して照会する

    規模だけでなく、対象行為、地区計画、届出時期、家族向け住戸、最低面積、駐輪場、管理人、既存建物の扱いを質問します。

  • 建築・届出の履歴と未確認事項を整理する

    既存一棟では当時の条例と届出履歴、変更届・完了届、現在の管理体制を確認します。資料がない場合は『提出なし』と断定せず、区に閲覧・存否を照会します。

  • 区の回答と根拠を保存する

    照会日、部署、担当者、示した図面、区の回答、参照した条例・要綱の版、未確定の計画条件を記録します。

  • 重説には制度と物件への影響を分けて書く

    区域・制度の存在だけでなく、対象判定の条件、買主の計画に影響する事項、未確定事項と確認先を書きます。法35条のどの欄に該当するかは制度の根拠ごとに確認します。

窓口での質問例

『○○区○丁目○番○の土地を売買します。買主は共同住宅の建築を検討しており、地上○階・総○戸・各住戸○㎡程度の計画案があります。この敷地に適用される小規模住戸・集合住宅に関する条例、要綱、地区計画と、対象となる面積・戸数・階数の数え方を教えてください。最低住戸面積、家族向け住戸、駐輪場、管理人、標識・近隣説明・事前協議の要否と時期、改正予定・経過措置、根拠資料も確認したいです』と、案内図・公図・配置図・住戸面積表を示します。

制度を確認する公式資料の例:新宿区|ワンルームマンション条例・2026年10月改正台東区|集合住宅条例・2026年10月改正品川区|2026年7月適用の要綱統合国土交通省|重説における法令上の制限一覧

重説には、確認済みの条件だけを具体的に書きます

自治体の小規模住戸制度をすべて『建築基準法に基づく制限』と一括りにはできません。地区計画が建築条例で制限されている場合と、建築主への届出・協議を求める条例や要綱、税の制度とでは根拠が違います。重説の法令上の制限欄に記載する事項は、宅地建物取引業法35条と施行令の対象法令を照合し、それ以外でも買主の利用計画に重要な影響があることは、確認した事実を『その他の重要事項』等で説明するか検討します。

事例記載例(架空)書く前に確認すること
新築用地・計画案あり本物件については、○○区の集合住宅に関する条例・要綱の適用可能性があります。買主計画案(地上○階、総○戸、○㎡未満の住戸○戸)を示し、○年○月○日に○○課へ照会したところ、○○の手続・基準の対象となる旨の回答を受けました。計画変更時は再照会を要します。正確な制度名、条項、計画案の版、窓口回答、届出・設計基準。
新築用地・計画案未定本物件所在地の○○区には、一定規模以上の集合住宅の建築に関する制度があります。現時点で買主の階数・戸数・住戸面積が未定のため、個別計画の適用有無は確定していません。建築計画を定める前に○○課へ事前相談が必要です。制度の存在と対象条件、買主の利用目的、未確定である理由。
既存一棟本建物については、建築時の○○区○○制度に基づく計画書・完了届の写しを確認しました。現在の管理方法は管理規約・管理会社回答によります。増改築・用途変更・建替えには現行制度による再確認が必要です。建築当時の制度と届出、現況、将来工事の内容。

『ワンルーム規制なし』『建替え可』『届出済み』のような短い断定は、区域・行為・時期・資料の区別がつきません。区の回答を得ていない場合や買主の計画が変わり得る場合は、その範囲を明示します。

23区の公式資料は、ここから確認できます

次の一覧は2026年9月23日時点で確認した各区の公式入口です。数字は代表的な対象条件で、すべての例外や経過措置を含みません。適用条件に近い計画では、リンク先の現行本文・手引きと所管窓口で確認してください。

区最初に見る制度・特徴公式資料
千代田要綱。30㎡以下の住戸10戸以上・地下を含む4階以上が入口。ワンルーム建築物の指導
中央地区計画の区域内かを先に確認。共同住宅の住戸構成にも制限。地区計画の説明
港単身者向け共同住宅等の条例。37㎡未満の住戸7戸以上が入口。条例・手引き
新宿現行は地階を除く3階以上・30㎡未満10戸以上。2026年10月1日改正の経過措置に注意。条例・改正案内
文京40㎡未満の住戸を含む建物について、条例本文・手引きで対象条件を確認。条例案内
台東現行は総戸数10戸以上の集合住宅が入口。2026年10月1日に制度改正。集合住宅条例
墨田集合住宅に関する条例。共同住宅・寄宿舎・長屋等の用途別条件を確認。条例案内
江東地階を除く3階以上・15戸以上・40㎡未満が過半数などの条件を確認。マンション等建設条例
区最初に見る制度・特徴公式資料
品川2026年7月31日から開発環境指導要綱とワンルーム要綱を統合。旧要綱の数字を流用しない。統合改正案内
目黒40㎡未満の住戸10戸以上・3階以上等を確認。住環境整備条例
大田3階以上・ワンルーム型式住戸15戸以上なら、高さ10m以下でも建築計画の周知手続を確認。中高層建築物条例の案内
世田谷用途地域により40㎡未満住戸の戸数条件が異なる。住環境整備条例の概要
渋谷地階を除く3階以上・33㎡未満の住戸15戸以上・総戸数の3分の1以上を確認。ワンルーム条例
中野集合住宅条例。小規模の6~11戸とそれ以上で手続・基準を分けて確認。条例・手引きの案内
杉並指導要綱。総戸数・40㎡未満住戸数・階数の組合せを確認。住環境指導の概要
豊島「としまファミリー住戸附置指導要綱」と「狭小住戸集合住宅税」を別に確認。附置要綱
区最初に見る制度・特徴公式資料
北集合住宅条例。40㎡未満の住戸数や家族向け住戸の条件を確認。条例・手引きの案内
荒川「荒川区住宅等の建築に係る住環境の整備に関する条例」の対象規模・届出を確認。条例本文
板橋35㎡未満の小規模住戸15戸以上・地階を除く3階以上が入口。小規模住戸条例
練馬まちづくり条例の手続。ワンルーム形式集合住宅15戸以上等を確認。区の手続案内
足立集合住宅条例。総戸数・小規模住戸数・階数を組み合わせて確認。条例案内
葛飾集合住宅条例。小規模集合住宅の2階以上・6戸以上など規模別に確認。条例案内
江戸川住宅等整備事業の条例。建築・宅地開発の規模別に事前協議を確認。条例・手引き資料

豊島区は上記の建築時の制度と別に、狭小住戸集合住宅税があります。30㎡未満の住戸を新たに生じさせる建築等で、狭小住戸が8戸以下なら課税免除、9戸以上なら8戸を差し引かず全戸に1戸50万円が課税されます。納税義務者は建築主であり、既存の区分所有住戸を通常売買するだけで買主に課税されるわけではありません。

改正に注意する区2026年9月時点の確認事項公式資料
新宿2026年10月1日施行。対象拡大等があり、同日以降に標識を設置すべき計画に改正条例を適用。改正リーフレット
台東2026年10月1日施行。集合住宅条例の改正に加え、該当計画は別のまちづくり手続との順序も確認。改正のお知らせ
品川2026年7月31日から統合後の要綱を適用済み。要綱統合の案内

予定戸数、必要な住戸・設備、届出時期まで確認します

対象条件ぎりぎりの計画では、住戸面積の測り方や用途変更の範囲で結論が変わります。区に図面を示して照会し、どの規定に照らして回答されたかを残しておけば、買主が後で計画を変更したときも再確認すべき点が分かります。

既存マンションの一室を売るときは、建築主向けの住戸数・最低面積の規制を機械的に書くより、その部屋の利用、管理規約、用途変更や建替えに関係する資料があるかを確かめます。資料がなければ、分からないことと確認先を具体的に伝えます。

東京23区の集合住宅用地・建物の調査が必要なときは

物件調査から重要事項説明書の作成まで対応します

  • 埼玉県全域・東京都23区の売買物件に対応
  • 区の条例・要綱・地区計画と建築資料の照合から、重要事項説明書ドラフト作成まで

標準的な料金は1物件88,000円(税込)です。公的資料取得実費は別途です。

所在地と買主の計画を踏まえ、対象となる制度・窓口・未確定事項を整理します。

物件調査・重要事項説明書の作成を依頼するサービス内容とご依頼の流れをご確認いただけます。

東京23区のワンルーム規制でよくある質問

23区共通で『20㎡未満は建てられない』という決まりですか?

いいえ。対象となる住戸面積、最低面積、適用される戸数・階数は区ごとに違います。建築する区の現行条例・規則・要綱を確認してください。

土地を買う時点で建築計画が未定でも、対象外と書けますか?

対象外とは書けません。制度の対象条件と、階数・戸数・住戸面積が未定で個別適用を判定できないことを分けて説明し、設計時の所管照会を案内します。

古い一棟マンションは、今の最低住戸面積を満たさなければ違法ですか?

現行の最低面積を満たさないだけで、建築当時の建物を違法と断定できません。建築時期、当時の制度、届出・変更の履歴、増改築・用途変更の有無を確認します。

豊島区のワンルームマンション税は、一室の買主が払う税ですか?

通常の既存一室の売買に直接課す税ではありません。対象は一定数以上の狭小住戸を新たに生じさせる建築等で、納税義務者は建築主です。

すべて法35条の『法令に基づく制限』欄に書きますか?

一律には扱えません。地区計画に基づく建築条例、建築・管理の条例、行政指導の要綱、税は根拠と効力が異なります。法35条と施行令の対象を確認し、買主の利用に重要な事実は適切な欄やその他の重要事項での説明を検討します。

2026年9月23日時点の23区の公式案内・条例等を調査の入口として整理しました。区別一覧だけで個別物件への適用は判定できません。現行規定、改正の経過措置、届出履歴、重説の記載区分は、取引する物件と計画に基づき所管部署へ確認してください。記載例は架空の事例です。