重要事項説明書の売主欄の書き方|個人・法人・共有の確認資料
売主欄は、登記に載っている所有者をそのまま書けばよいですか?
媒介契約書には現在の住所が書かれていますが、登記には旧住所が載っています。法人売主の窓口は支店で、共有物件は代表者一人が手続きを進めています。重要事項説明書の売主欄には、誰のどの住所・名称を書けばよいでしょうか。
売主欄には実際の契約当事者を表示し、登記名義人と照合します
売主欄には、売買契約の売主の現在の住所・氏名を記載します。法人なら本店所在地と正式商号、共有なら売却する共有者全員を記載するのが基本です。そのうえで最新登記の所有者、本人・代表権、売却意思を別々に確認します。
支店が取引窓口でも、法人である売主そのものは支店ではありません。売主欄の法人表示は本店所在地と商号を基礎にし、代表者または契約権限を持つ担当者の資格を法人登記・委任資料等で別に確認します。
最新登記と売主が異なる場合は、売主欄で名前を合わせて終わりません。同一人の住所・氏名変更、相続、代理、他人物売買等のどれかを特定し、所有権移転までの処理を確認します。
売主欄に書く住所・氏名の診断フローチャート
当てはまる答えを押すと、あなたの場合の結論に色が付きます。
- 確認2登記の住所・氏名は、売主の現在の住所・氏名と同じですか?
- 結論現在の住所・氏名を書く
- 結論現在の住所・氏名を書き備考で説明
- 結論名義が違う理由を先に確認
- 結論本店所在地と商号を書く
- 結論売却する共有者全員を書く
- 確認1売主は、どれに当てはまりますか?結論本店所在地と商号を書く結論売却する共有者全員を書く
- 確認2登記の住所・氏名は、売主の現在の住所・氏名と同じですか?結論現在の住所・氏名を書く結論現在の住所・氏名を書き備考で説明結論名義が違う理由を先に確認
- 現在の住所・氏名を書く
本人確認書類と登記の住所・氏名が合っていることを確かめて書きます。売却の意思は本人に確認します。
- 現在の住所・氏名を書き備考で説明
住民票や戸籍の附票で同じ人だと確かめ、売主欄には現在の住所・氏名を書きます。備考には、決済までに住所・氏名の変更登記をすることを書きます。
- 名義が違う理由を先に確認
名義人が亡くなっているのか、売主がこれから取得するのかなど、名義が違う理由を先に確認します。理由ごとの書き方は、登記名義人と売主が違うときの確認で説明しています。
- 本店所在地と商号を書く
支店が窓口でも、売主欄には本店の所在地と登記どおりの商号を書きます。契約する代表者や担当者の資格は別に書き、権限を法人登記と委任の書面で確認します。
- 売却する共有者全員を書く
売却する共有者全員を、持分とあわせて書きます。1人が窓口になっているときは、ほかの共有者から委任を受けていることを確認します。
共有の物件で1人の持分だけを売る場合は、全体を売る場合と分けて、契約書の物件表示と売主欄を合わせます。
売主欄を書く前に確認する6点
- 売買契約書案の売主媒介依頼者、登記名義人、当日出席者ではなく、今回の売買契約で売主となる人・法人を確定します。
- 対象不動産全部の最新登記土地・建物・私道持分等の甲区を確認し、所有者、住所・氏名、持分、差押え・信託等を一覧にします。
- 個人売主の同一性と意思本人確認書類と登記表示を照合し、本人から対象物件・価格・売却意思を確認します。書類の所持だけで本人と決めません。
- 法人の本店・商号・代表権履歴事項全部証明書等で現在の本店、商号、代表者を確認します。支店担当者が契約する場合は権限資料を追加します。
- 共有者と売却範囲共有物全体を売るのか、一人の共有持分だけを売るのかを分け、各共有者の持分と意思を確認します。
- 代理・相続・変更登記の有無本人が契約しない、登記名義人が死亡している、旧住所・旧氏名のまま等の事情は、通常欄とは別の確認ルートへ回します。
契約当事者の確定から重説記載までの順番
- 物件と売却範囲を確定する
土地、建物、区分建物、敷地権、私道持分等を並べ、全部を売るのか持分だけを売るのか決めます。
- 売主候補と最新登記を照合する
登記情報提供サービス等で通常調査を行い、契約書案の売主と各不動産の名義・持分を照合します。
- 本人・法人・共有者を確認する
本人確認、法人登記、代表権、共有者全員の意思を確認し、確認日・確認者・資料を記録します。
- 不一致を理由別に分ける
旧住所・旧氏名、相続、代理、他人物売買、信託等に分類し、必要な登記・承諾・権限確認を設定します。
- 売主欄と備考を契約書へ合わせる
売主欄は契約当事者、備考は登記との不一致理由と解消方法を記載し、売買契約書案・登記依頼と一致させます。
- 契約前と決済前に再確認する
代表者変更、共有者の意思変更、新たな登記等がないか確認し、決済日に移転できる状態を登記担当司法書士と照合します。
個人・法人・共有で売主欄と確認資料を分けます
次は当サイト独自の架空例です。住所・氏名の配置や代表者名の併記方法は、採用する最新版の書式と社内手順へ合わせてください。
| 売主欄の記載例 | 先に確認する資料 | 備考・追加確認 | |
|---|---|---|---|
| 個人・登記と一致 | 埼玉県例示市中央一丁目2番3号 売主 山田花子 | 本人確認記録、最新登記、登記識別情報等、売却意思 | 登記の住所・氏名、持分が一致することを確認 |
| 法人・支店が窓口 | 東京都例示区丸の内一丁目1番1号 売主 青葉不動産株式会社 | 法人登記、本店・商号・代表者、担当者の権限資料 | 支店所在地だけを売主住所にせず、契約署名者の資格を別記 |
| 共有物全体を売却 | 売主 山田花子(持分2分の1)・山田太郎(持分2分の1) | 各共有者の本人確認、各持分の登記、全員の売却意思 | 代表者一人が進める場合は、他の共有者の代理権を確認 |
| 登記が旧住所 | 売主の現在住所・現在氏名を記載 | 住民票・戸籍の附票等による住所沿革、最新登記 | 同一人であることと、決済までの変更登記手順を備考で説明 |
共有者が自分の持分だけを売ることと、共有不動産全体を売ることは別です。今回の売買対象がどちらかを契約書の物件表示・売主欄・登記依頼で一致させます。
東京23区・埼玉県でも売主確認の基本は共通です
売主の表示、本人・代表権、共有者の意思を確認する基本は全国共通です。地域で変わるのは対象不動産と法人の登記管轄です。通常の内容確認は登記情報提供サービスを使い、証明書が必要な場面では管轄にかかわらず法務局の交付請求を使い分けます。
東京都23区の不動産
所在区を担当する東京法務局本局・出張所を管轄一覧で確認します。複数区の私道持分等があれば不動産ごとに整理します。
埼玉県の不動産
所在市町村を担当するさいたま地方法務局本局・支局・出張所を確認します。さいたま市内でも所在区により管轄を確かめます。
法人売主
不動産の所在地ではなく、法人登記で本店・商号・代表者の現在情報を確認します。本店移転や代表者変更の直後は最新履歴を確認します。
売主欄は、権限確認の結果を短く表示する場所です
| よくある誤り | 問題 | 修正する確認 |
|---|---|---|
| 登記名義人を無条件で売主欄へ転記 | 契約当事者や本人意思が未確認 | 契約書案、本人確認、取得経緯を照合 |
| 法人の支店住所・担当者名だけを書く | 法人本体と権限者の関係が分からない | 本店・商号と担当者の資格を分ける |
| 共有者の代表一人だけで全体売却 | 他の共有持分を処分する権限が未確認 | 全員の意思または明確な代理権を確認 |
| 印鑑証明書だけで売却意思を確認 | 所持者と本人意思は同じとは限らない | 本人への直接確認と権限資料を残す |
主な公式資料:宅地建物取引業法民法会社法国土交通省の現行重説様式・解釈運用国土交通省の本人確認・マネロン対策登記情報提供サービス
物件調査から重要事項説明書の作成まで対応します
- 埼玉県全域・東京都23区の売買物件に対応
- 取引資料の確認、現地・役所・法務局等の調査、重要事項説明書ドラフト作成
標準的な1物件88,000円(税込)。公的資料取得実費は別途です。
売主表示、登記名義、本人・代表権・代理権、共有持分を整理し、重説と売買契約書案の当事者表示を照合します。
物件調査・重要事項説明書の作成を依頼するサービス内容とご依頼の流れをご確認いただけます。重要事項説明書の売主欄でよくある質問
売主の住所は登記上の旧住所と現在住所のどちらを書きますか?
売買契約の売主表示は現在住所を基礎にし、登記との不一致理由と住所変更登記の手順を別に確認します。住所沿革がつながらなければ司法書士へ確認します。
法人の支店で契約するときは、支店住所を売主欄へ書きますか?
原則として法人の本店所在地と正式商号を表示します。支店や担当者は取扱窓口・権限者として区別し、代表権や委任の根拠を確認します。
共有者の過半数が賛成すれば、不動産全体を売れますか?
通常の管理行為とは異なり、他の共有者の持分まで一人の判断で売却できません。全体売却なら各共有者の意思または代理権を確認します。
売主の代理人は売主欄へ書きますか?
契約当事者である本人を売主として表示し、代理人の氏名・資格は別欄や備考で示します。詳しくは代理人が契約する場合の記事で確認してください。
登記名義人と売主が違えば、必ず他人物売買ですか?
必ずではありません。同一人の住所・氏名変更、相続、代理、信託等でも表示が異なります。不一致理由を確定してから他人物売買か判断します。