埼玉県の宅建業免許更新に必要な書類|新規申請との違い
更新でも、新規申請と同じ書類を全部用意するのですか?
埼玉県知事の宅建業免許を更新することになりました。新規申請のときに出した書類を、もう一度すべて用意するのでしょうか。更新ならではの書類があるのか、取引実績は何年分必要なのかを知りたいです。
必要書類の一覧は新規と同じです。ただし、更新では5年間の実績と現在の状態を記載します
埼玉県では、新規・免許換え・更新の必要書類を同じ21区分で案内しています。そのため、「更新専用の簡単な申請書がある」というわけではありません。法人の更新では、個人申請者だけが提出する住民票と資産調書を除く19区分が基本になります。
一番わかりやすい違いは、宅地建物取引業経歴書です。新規申請では宅建業の実績がありませんが、更新では直前5年分の売買、交換、代理、媒介の件数と価額を記載します。ただし、違いは取引実績だけにとどまりません。更新時点の役員、専任宅建士、事務所、決算内容が、これまでの届出と一致しているかも確認されます。
申請期限や審査期間を含む更新手続の全体像は、埼玉県の宅建業免許更新で説明しています。この記事では、更新申請の必要書類に絞ります。
更新申請で用意する書類の診断フローチャート
当てはまる答えを押すと、あなたの場合の結論に色が付きます。
- 確認2直近の1事業年度に、宅建業の取引実績はありますか?
- 結論法人の更新書類
- 結論法人の更新書類と0件の理由書
- 確認3直近の1年に、宅建業の取引実績はありますか?
- 結論個人の更新書類
- 結論個人の更新書類と0件の理由書
- 確認1免許を受けているのは、法人ですか、個人ですか?
- 確認2直近の1事業年度に、宅建業の取引実績はありますか?結論法人の更新書類結論法人の更新書類と0件の理由書
- 確認3直近の1年に、宅建業の取引実績はありますか?結論個人の更新書類結論個人の更新書類と0件の理由書
- 法人の更新書類
埼玉県の一覧にある書類のうち、住民票と資産の状況を示す調書は個人だけが出すので、法人は用意しません。宅建業経歴書には直前5事業年度の実績を書き、決算書には販売費及び一般管理費の内訳を付けます。
- 法人の更新書類と0件の理由書
法人の更新書類に加えて、直近の事業年度の取引が0件だった理由を書面で提出します。今後も宅建業を続けることも、その書面に書きます。
- 個人の更新書類
法人と同じ書類に加えて、住民票と資産の状況を示す調書も用意します。宅建業経歴書には直前5暦年の実績を書きます。
- 個人の更新書類と0件の理由書
個人の更新書類に加えて、取引が0件だった理由と、今後も宅建業を続けることを書面にして提出します。
前回の申請後に届け出ていない変更があれば、変更届を先に提出するか、更新申請と同時に出します。
新規申請と更新申請で何が違うのか
| 新規申請 | 更新申請 | |
|---|---|---|
| 必要書類の区分 | 原則として同じ21区分 | 原則として同じ21区分 |
| 宅建業経歴書 | 初めて免許を受ける法人は「新規」と記載 | 直前5年分の取引実績を記載 |
| 税務・財務書類 | 設立直後は納税証明書が不要となり、開始貸借対照表を出す場合があります | 申請直前1年分の納税証明書と決算書を提出します |
| 事務所写真 | 申請する事務所の完成後の状態を撮影します | 現在の事務所に加え、業者票と最新の報酬額表も撮影します |
| 変更届 | 免許取得前なので原則ありません | 前回申請後の未提出変更がないか確認します |
| 免許証 | 返却する旧免許証はありません | 新しい免許証の受領時に従前の免許証を返却します |
必要書類の名称が同じでも、更新では「5年間営業してきた結果」を書く欄が増えます。前回の申請書をそのまま写すのではなく、現在の登記、役員、従事者、事務所、決算と照らし合わせて作り直します。
法人の更新申請で用意する19区分
| 書類 | 更新申請で確認すること |
|---|---|
| 1 免許申請書(第一面~第五面) | 商号、役員、事務所、政令使用人、専任宅建士を現在の内容で記載します。 |
| 2 宅地建物取引業経歴書 | 直前5事業年度の取引件数・価額・手数料収入等を記載します。 |
| 3 誓約書 | 欠格事由に該当しないことを誓約します。 |
| 4 代表者等の連絡先に関する調書 | 常勤・非常勤を問わず、役員や政令使用人等を記載します。 |
| 5 役員等の略歴書 | 調書に記載した全員分を作成します。 |
| 6 身分証明書 | 対象者と相談役・顧問について本籍地の市区町村で取得します。 |
| 7 登記されていないことの証明書 | 対象者と相談役・顧問について法務局本局等で取得します。 |
| 9 専任の宅地建物取引士設置証明書 | 従事者数と専任宅建士数、宅建士証の有効期間を確認します。 |
| 11 相談役・顧問、5%以上の株主・出資者 | 現在の株主名簿・出資関係と一致させます。 |
| 12 事務所を使用する権原に関する書面 | 所有・賃貸借等の現在の使用関係を記載します。 |
| 13 専任宅建士等の略歴書 | 専任宅建士、相談役・顧問について作成します。 |
| 14 宅地建物取引業に従事する者の名簿 | 現在の従事者を事務所ごとに記載します。 |
| 15 履歴事項全部証明書 | 本店、目的、役員と変更履歴を確認します。 |
| 16 法人税の納税証明書(その1) | 申請直前1年分を税務署で取得します。 |
| 17 貸借対照表・損益計算書等 | 納税証明書と同じ決算期のものを用意し、販管費内訳を含めます。 |
| 18 事務所付近の地図 | 最寄り駅からの経路、距離、目印を記載します。 |
| 19 事務所の平面図・間取図 | 事務所区画、入口からの動線、写真撮影位置を記載します。 |
| 20 事務所の写真 | 建物入口から室内まで撮影し、業者票・報酬額表の拡大写真も用意します。 |
| 21 電話番号の契約を確認できる書類 | 法人名義の契約書、請求書、契約画面等を用意します。 |
埼玉県の一覧は法人と個人を合わせて21区分あります。法人申請では、No.8の住民票とNo.10の資産の状況を示す調書は使いません。一方、個人業者の更新ではこの2区分も必要です。役員数や事務所数が増えれば、実際に提出する書類の枚数も多くなります。
免許申請書第一面から第五面の記載方法は、宅建業免許申請書の書き方で詳しく説明しています。
更新で特に時間がかかるのは、宅建業経歴書です
法人は、申請日より前に終了している直前5事業年度について記載します。売買や交換は件数と価額、代理や媒介は件数、取扱価額、手数料収入を確認します。個人業者の場合は直前5暦年です。
申請書を作る段階になって5年分を思い出そうとしても、正確な数字は出せません。取引台帳、媒介契約書、売買契約書、総勘定元帳、確定申告や決算の資料などから年度ごとの数字を確認していきます。経歴書の直近1年度と損益計算書の売上に大きな開きがある場合は、その理由を説明できるように準備しておきます。
直近1年度に宅建業の実績が1件もない場合は、0件となった理由を書面で提出します。取引がなかったことだけで更新できなくなるわけではありません。ただし、なぜ実績がなかったのか、今後も宅建業を続ける意思があるのかを説明する必要があります。
決算書は、表紙・貸借対照表・損益計算書だけでは不足する場合があります
法人の更新では、申請直前1年分の法人税の納税証明書(その1)と、同じ決算期の貸借対照表、損益計算書を用意します。損益計算書に販売費及び一般管理費の内訳が付いていなければ、販管費内訳も添付します。なお、納税証明書は県税事務所ではなく、本店所在地を管轄する税務署で取得する法人税の証明書です。
新規申請であっても、決算を終えている既存法人なら同じ財務書類を提出します。更新だから追加される書類というよりは、設立直後の新設法人に認められていた省略が、更新時には通常なくなっていると捉える方が実態に合っています。
前回と変わっていなくても、現在の証明書と事務所資料が必要です
役員・専任宅建士の証明書
身分証明書と登記されていないことの証明書は、前回提出したものを再利用できません。原則として発行から3か月以内で、申請時点の本籍や住所が記載されたものを対象者ごとに取得します。
証明書が必要な人
代表取締役だけではありません。取締役、監査役、政令使用人など、代表者等の連絡先に関する調書へ記載する人に加え、相談役や顧問についても確認します。
地図・平面図・事務所写真
前回の申請から移転していなくても、写真は現在の状態で撮り直します。現在の宅地建物取引業者票と最新の報酬額表の拡大写真も欠かせません。
使用権原・電話番号
賃貸借契約の更新や建物の所有者変更があれば、事務所を使用する権原も改めて確認します。電話番号は法人名義の契約書、請求書、契約画面等で示します。
会社名が変わったのに入口表示が旧商号のままになっていたり、専任宅建士が交代したのに業者票が更新されていなかったりする食い違いは、申請前に直します。
商号、本店、代表者や役員、政令使用人、専任宅建士、事務所に変更があった場合は、原則として変更から30日以内に変更届を提出します。登記だけを変更して、宅建業の変更届を出していないケースも見受けられます。
未提出の変更があれば、変更届を先に提出するか、更新申請と同時に出します。同時提出であれば重複する添付書類を省略できる場合もありますが、更新申請書に現在の内容だけを書いて、過去の変更をなかったことにはできません。
- 現在の免許証と過去の控えを確認
前回の申請副本と5年間の変更届控えを確認します。
- 現在の人物を確定
履歴事項全部証明書、株主名簿、従事者名簿から、役員、株主、専任宅建士等を確定します。
- 取引実績と決算を確認
5年分の取引実績と直近1年の税務・決算資料を確認します。
- 事務所の現在の状態を確認
使用関係、電話、業者票、報酬額表を確認してから図面と写真を用意します。
- 対象者の証明書を取得
必要な人が確定してから身分証明書等を取得します。
- 全書類を照合
申請書、登記、証明書、図面、写真の氏名・住所・日付を照合します。
証明書を先に取ってしまうと、後から役員や相談役の漏れに気づいて取り直すことになりかねません。また、発行から3か月を過ぎれば再取得が必要です。最初に前回の申請副本と変更届控えを確認することが、結果として一番早い進め方になります。
この記事で確認した公式情報:埼玉県の宅地建物取引業者免許申請埼玉県知事免許の審査基準・申請書類(令和8年9月改訂)埼玉県の宅建業者情報の変更手続
私自身も、埼玉県知事免許を2回更新しています

小野田 敦士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
更新は、新規申請より書類が少ない手続ではありません。様式の一覧はほぼ同じで、そこへ5年間の営業実績と変更の履歴が加わります。
前回の申請副本と毎年の取引台帳が残っていれば難しくありませんが、5年分を申請直前に集め始めるとかなり時間がかかります。
私自身も宅建業者として埼玉県知事免許を2回更新しています。申請を代理する立場だけでなく、取引台帳、決算書、業者票、保証協会の会員情報を準備する宅建業者の立場も踏まえて、必要書類を確認しています。
前回の申請副本が見つからない場合もご相談ください
- 免許証、登記、過去の届出から現在の申請内容を確認します
- 役員等の証明書と5年分の宅建業経歴書を準備します
- 決算書、事務所写真、業者票、報酬額表を確認します
- 未提出の変更届があれば、更新申請と合わせて対応します
当事務所の報酬や証明書代、郵送費などの実費は、法人か個人か、役員数や事務所の数、未提出の変更届があるかを確認したうえでご案内します。
更新期限が近い場合は、現在の免許証だけでも先にお送りください。
宅建業免許の更新を相談する埼玉県知事免許の更新や、未提出の変更届に対応します。更新申請に必要な書類についてよくある質問
更新申請の必要書類は、新規申請とまったく同じですか?
埼玉県の必要書類一覧は、新規・免許換え・更新で同じ21区分です。ただし、記載内容は同じではありません。更新では直前5年分の宅建業経歴書、申請直前1年分の税務・決算書類、現在の事務所写真、未提出の変更届を確認します。
更新で新しく必要になる書類は、宅建業経歴書だけですか?
宅建業経歴書が最もわかりやすい違いですが、それだけではありません。更新では現在の役員、専任宅建士、事務所と届出内容が一致しているか、決算書と取引実績が対応しているか、業者票と報酬額表が最新かも確認します。
取引実績は何年分書きますか?
法人は直前5事業年度、個人は直前5暦年です。直近1年度の実績が0件なら、その理由を説明する書面も用意します。
役員に変更がなくても、身分証明書は必要ですか?
必要です。前回提出した証明書は使えません。対象者全員について、原則として発行から3か月以内の身分証明書と登記されていないことの証明書を新たに取得します。
決算書はどこまで提出しますか?
法人は、申請直前1年分の貸借対照表、損益計算書、販売費及び一般管理費の内訳を提出します。同じ期間の法人税の納税証明書(その1)も必要です。
更新申請の書類は何部必要ですか?
埼玉県庁の窓口へ申請する場合は、正本1部・副本1部です。正本には証明書等の原本を付け、副本には添付書類を含めて正本のコピーを用意します。