保証協会と営業保証金の違い|約97%が選ぶのは保証協会
保証協会へ入るのと、営業保証金を供託するのは何が違いますか?
宅建業免許の申請準備をしています。営業を始めるには1,000万円を供託する方法と、保証協会へ60万円を納める方法があると聞きました。新規開業では、どちらを選べばよいのでしょうか。
新規開業なら、特別な事情がない限り保証協会への加入が現実的です
主たる事務所だけで開業する場合、営業保証金は10,000,000円です。保証協会に加入すれば、これに代えて弁済業務保証金分担金600,000円を納めます。開業時に拘束される資金が大きく違うため、新規開業では保証協会を選ぶのが一般的です。
ただし、保証協会へ支払うのは分担金600,000円だけではありません。協会や県本部の入会金、初年度会費等が加わります。埼玉県での金額は、保証協会費用比較ツールで全宅・全日・直接供託を並べて確認できます。
保証協会か営業保証金かの診断フローチャート
当てはまる答えを押すと、あなたの場合の結論に色が付きます。
- 確認21,000万円を、長期間預けたままにできますか?
- 結論保証協会へ加入・分担金60万円
- 結論直接供託1,000万円も選択肢
- 確認31,000万円に加えて支店ごとに500万円を、長期間預けたままにできますか?
- 結論保証協会へ加入・支店ごとに30万円追加
- 結論直接供託も選択肢・支店ごと500万円
- 確認1宅建業の事務所は、本店だけですか?
- 確認21,000万円を、長期間預けたままにできますか?結論保証協会へ加入・分担金60万円結論直接供託1,000万円も選択肢
- 確認31,000万円に加えて支店ごとに500万円を、長期間預けたままにできますか?結論保証協会へ加入・支店ごとに30万円追加結論直接供託も選択肢・支店ごと500万円
- 保証協会へ加入・分担金60万円
加入する保証協会へ、弁済業務保証金分担金60万円と、入会金や会費を納めます。埼玉県での入会総額は、保証協会費用比較ツールで確認できます。
- 直接供託1,000万円も選択肢
本店の最寄りの供託所へ営業保証金1,000万円を供託し、供託済みの届出をする方法も選べます。保証協会へ入る場合の入会総額と比べ、協会の研修や書式を使うかどうかも考えて決めます。
- 保証協会へ加入・支店ごとに30万円追加
加入する保証協会へ、本店の分担金60万円に加えて、支店1か所につき分担金30万円と協会所定の費用を納めます。
- 直接供託も選択肢・支店ごと500万円
本店の1,000万円に加えて、支店1か所につき営業保証金500万円を供託する方法も選べます。保証協会なら支店1か所につき分担金30万円なので、支店の数も考えて決めます。
免許通知が届いただけでは、営業を始められません。保証協会へ入る場合は協会からの届出が、直接供託する場合は供託とその届出が、先に必要です。
先に比べたいのは、60万円と1,000万円だけではありません
- 開業時に必要な総額保証協会は分担金600,000円に入会金・会費等が加わります。直接供託は主たる事務所だけで10,000,000円です。
- 営業を始められる日免許通知が届いただけでは営業できません。保証協会から免許権者への届出、又は営業保証金の供託と届出が済んだ後に営業を始めます。
- 支店を置く予定宅建業を営む従たる事務所1か所につき、保証協会は分担金30万円、直接供託は営業保証金500万円が追加されます。
- 協会のサービスを使うか保証協会へ加入すると、研修、契約書式、業務支援、相談等を利用できます。内容は全宅と全日、各県本部で異なります。
- 廃業・退会時に戻るお金分担金と営業保証金には返還手続がありますが、すぐに自由になる資金ではありません。協会の入会金や支払済みの会費は原則として戻りません。
保証協会と営業保証金は、同じ目的を別の方法で担保します
宅建業では、取引によって相手方に損害を与えた場合に備え、営業開始前に保証の仕組みを用意します。宅建業者が法務局へ営業保証金を直接供託する方法と、保証協会へ加入して分担金を納める方法の二つがあります。
| 保証協会へ加入 | 営業保証金を直接供託 | |
|---|---|---|
| 主たる事務所 | 分担金600,000円+入会金・会費等 | 10,000,000円 |
| 従たる事務所1か所 | 分担金30万円+協会所定の費用 | 営業保証金500万円 |
| 納付・供託先 | 加入する保証協会 | 主たる事務所の最寄りの供託所 |
| 免許権者への連絡 | 保証協会が必要な届出をします | 宅建業者が供託済みの届出をします |
| 業務支援 | 研修、書式、相談、会員向けサービス等があります | 協会の会員向けサービスはありません |
| 廃業・退会時 | 所定の手続後に分担金が返還されます。入会金・会費等は戻りません | 公告等の手続を経て営業保証金を取り戻します |
弁済業務保証金分担金は、保証協会が弁済業務保証金を一括して供託するために、会員が負担する分担金です。万一、協会が取引相手へ弁済した場合は、原因となった会員へ還付充当金の納付を求めます。加入すれば損害賠償責任がなくなる仕組みではありません。
令和6年度末の公表値では、保証協会の会員は約97.3%です
| 令和6年度末の公表数 | 出典 | |
|---|---|---|
| 宅地建物取引業者 | 132,291業者 | 国土交通省 |
| 全国宅地建物取引業保証協会 | 91,703会員 | 各協会資料を不動産流通推進センターが集計 |
| 不動産保証協会 | 36,951会員 | 各協会資料を不動産流通推進センターが集計 |
| 両保証協会の合計 | 128,654会員(単純比較で約97.3%) | 上記3件の公表値から算出 |
この約97.3%は、同じ令和6年度末の宅建業者数と両保証協会の会員数を単純に比較した数字です。国が「保証協会加入率」として発表した統計ではありませんが、大半の宅建業者が保証協会を利用している実態は確認できます。
宅建業者数から保証協会の会員数を差し引いた数を、そのまま直接供託した業者数と断定することはできません。免許取得と協会加入の時期のずれ、廃業手続中の業者等が含まれる可能性があるためです。
埼玉県では、分担金を含む入会総額で比較します
| 主たる事務所1か所の目安 | 確認したいこと | |
|---|---|---|
| 全宅(ハトマーク) | 通常の掲載例は約135万円。分担金60万円を含みます | 開業キャンペーン、関連団体への加入、初年度会費、支払方法を確認します |
| 全日(ウサギマーク) | シミュレーターの初期値は約108万円。分担金60万円を含みます | 入会時期による会費、キャンペーン、追加負担を確認します |
| 直接供託 | 10,000,000円 | 現金のほか、法令で認められた有価証券を使う方法もあります。評価額と供託手続を確認します |
協会費用は改定やキャンペーンで動きます。現在の公表額を使った比較は、保証協会費用比較ツールで確認できます。会社設立や事務所契約を含む開業総額は、宅建業の開業費用シミュレーターをご利用ください。
埼玉県への申請後、保証協会の手続も進めます
保証協会へ加入する場合、埼玉県の免許通知が届くまで何もしないわけではありません。県への免許申請後から入会書類や事務所確認を進め、免許通知後に必要な支払と最終手続を行います。協会から免許権者への届出が済み、免許証を受け取った後に営業を始めます。
- 埼玉県へ宅建業免許を申請
受付後、保証協会へ提出する書類も準備します。事務所資料や役員情報は、県へ出した内容と一致させます。
- 保証協会へ入会を申請
県の手続と並行して、入会審査、面談、事務所確認等を進めます。必要な工程は加入先で異なります。
- 免許通知後に入会費用を納付
免許通知の写し等を提出し、弁済業務保証金分担金、入会金、会費等を納めます。
- 保証協会から免許権者へ届出
保証協会側の供託と届出が完了します。協会の完了連絡を待たずに営業を始めることはできません。
- 免許証を受け取り、営業開始
標識、従業者証明書、帳簿等の営業準備も終えてから、媒介や売買の業務を始めます。
直接供託を選ぶ場合は、免許通知後に主たる事務所の最寄りの供託所へ営業保証金を供託し、供託済みの届出を埼玉県へ提出します。この届出が済む前は営業できません。
この記事で確認した公表情報:令和6年度末の宅地建物取引業者数(国土交通省)保証協会の加入・脱会状況(不動産データブック2026)営業保証金と分担金の法定額(国土交通省四国地方整備局)埼玉県宅建協会の入会手続と費用全日埼玉の入会費用
保証協会は、免許申請と同じ予定で進めます

小野田 敦士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
保証協会の準備を免許通知まで止めてしまうと、営業開始も後ろへずれます。埼玉県へ申請した後から、協会の書類と事務所確認を進めます。
私自身も宅建業者として保証協会へ加入しています。申請する側だけでなく、入会手続を受ける側としても、県への免許申請と協会手続のつながりを経験しています。会社設立、事務所、免許申請、保証協会を別々の日程にしないことが、営業開始を遅らせないために大切です。
直接供託が誤った選択ということではありません。1,000万円を長期間拘束しても資金繰りに影響せず、協会へ加入しない事情がある事業者には選択肢になります。ただ、新規開業で広告費、人件費、事務所費用も必要になるなら、その資金を営業保証金として固定する意味まで考えて決めます。
営業開始日から逆算して、一つの予定で進めます
- 全宅・全日・直接供託の費用を比べます
- 埼玉県への免許申請後、保証協会の入会手続を進めます
- 県と保証協会へ出す事務所資料・役員資料を一致させます
- 免許通知後の納付から免許証の受領まで確認します
標準的な法人新規・埼玉県知事免許・主たる事務所1か所は、会社設立から選択した保証協会1団体の入会手続まで事務所報酬99,000円(税込)です。登録免許税、定款認証費用、免許申請手数料、証明書・郵送等の実費、保証協会費用等は別途です。
保証協会の手続まで含めて、宅建業の開業準備をご依頼いただけます。
宅建業免許申請代行の内容を見る会社設立、書類収集、免許申請、保証協会への入会をまとめて進めます。保証協会と営業保証金についてよくある質問
保証協会の入会費用は60万円だけですか?
いいえ。600,000円は弁済業務保証金分担金です。このほかに入会金、初年度会費、関連団体の費用等が加わります。地域、協会、入会時期、キャンペーンによって総額が変わります。
宅建業者の何割が保証協会へ加入していますか?
令和6年度末の宅建業者132,291業者と、両保証協会の会員合計128,654会員を単純比較すると約97.3%です。国が加入率として公表した数字ではないため、同年度の公表値から算出した目安として掲載しています。
全宅と全日のどちらへ加入しても免許を取れますか?
どちらを選んでも、保証協会への加入によって営業保証金の直接供託に代えることができます。入会費用、会費、支部、研修、業務支援、入会日程を比べて選びます。両方へ同時に加入することはできません。
営業保証金1,000万円は現金でなければいけませんか?
現金のほか、国債等の法令で認められた有価証券を使うこともできます。ただし、証券の種類によって額面どおりに評価されないものがあるため、供託前に種類と評価額を確認します。
免許通知が届いた日から営業できますか?
できません。保証協会へ加入する場合は協会側の供託と届出、直接供託する場合は営業保証金の供託と免許権者への届出が必要です。免許証を受け取り、営業に必要な標識や帳簿等を用意してから始めます。
保証協会を退会したら、そのまま営業できますか?
保証協会の社員の地位を失ったまま、保証を用意せずに営業は続けられません。法定期間内に営業保証金を供託する必要があるため、退会を決める前に資金と手続を準備します。
廃業すると60万円や1,000万円は戻りますか?
分担金も営業保証金も、廃業後の所定の手続を経て返還又は取戻しを受けます。直ちに返金されるわけではありません。保証協会の入会金や支払済みの会費は、原則として戻りません。