重要事項説明書 道路・接道|49

前面が建築基準法上の道路でない通路なら?43条認定・許可と重説の書き方

家が建っている土地なら、前面が『通路』でも再建築できますか?

前面には人も車も通る道があります。しかし区の道路種別図では建築基準法42条の道路と表示されていません。既存住宅があるので、買主にも建替えできると説明してよいのでしょうか。

42条道路に接しない敷地は、43条2項の認定・許可を個別に確認します

建築基準法43条1項は、敷地が原則として42条の道路に2m以上接することを求めます。前面が42条道路でない通路でも、43条2項1号の認定または2号の許可を受けられる場合があります。ただし、通路があることや既存住宅があることだけで、現在の建築計画が認められるとは判断できません。

まず、敷地の別の部分が42条道路に接していないか確認します。42条道路への接道がない場合に、通路の幅・接続先、敷地の接し方、建物の用途・規模、過去の認定・許可記録を持って所管へ相談します。

ここで扱うのは建築基準法43条2項です。市街化調整区域で建築する際の都市計画法43条許可とは別の制度なので、両方に該当し得る土地ではそれぞれ確認してください。

42条道路でない通路の重説の書き方の診断フローチャート

当てはまる答えを押すと、あなたの場合の結論に色が付きます。

前面の通路が道路種別図に42条道路と出ていない
確認1敷地が接する道について、いま分かっていることはどれですか?
  • 結論42条道路側の接道条件を先に調べる
  • 確認2過去の43条認定・許可(旧ただし書許可を含む)の記録はありますか?
    • 結論過去の認定・許可の内容を記載
    • 確認3買主に、建てたい建物の用途や規模の計画はありますか?
      • 結論建築計画を示して事前相談
      • 結論通路の状況と記録の有無を記載
  • 結論建築指導担当へ照会し、未確認と伝える
  1. 確認1敷地が接する道について、いま分かっていることはどれですか?
    結論42条道路側の接道条件を先に調べる
    結論建築指導担当へ照会し、未確認と伝える
  2. 確認2過去の43条認定・許可(旧ただし書許可を含む)の記録はありますか?
    結論過去の認定・許可の内容を記載
  3. 確認3買主に、建てたい建物の用途や規模の計画はありますか?
    結論建築計画を示して事前相談
    結論通路の状況と記録の有無を記載
  • 42条道路側の接道条件を先に調べる

    接している42条道路について、道路種別、幅員、接道長を調べます。調べ方は、接道義務と建築基準法上の道路の調べ方で説明しています。

  • 過去の認定・許可の内容を記載

    重説には、前面の通路が42条道路ではないことと、いまの建物が受けた認定・許可の番号と日付を書きます。その認定・許可はいまの建物についてのものなので、買主が建て替えるときは、あらためて建築指導担当への事前相談が必要だと書きます。

  • 建築計画を示して事前相談

    通路の幅、42条道路までの接続、権利関係、建物の用途と延べ面積を示して、1号認定か2号許可を申請できそうかを建築指導担当に相談します。重説には、買主の計画について認定・許可をまだ受けていないことと、追加の協議が必要かどうかを書きます。

  • 通路の状況と記録の有無を記載

    重説には、前面の通路が42条道路ではないこと、通路の幅と接続先、認定・許可の記録を確認できなかったことを書きます。建替えには43条2項の認定・許可が必要となる可能性があることも書きます。

  • 建築指導担当へ照会し、未確認と伝える

    42条道路かどうかの判定と、過去の認定・許可の記録を、建築指導担当へ照会します。回答が出るまでは、売主と買主に、建替えできるかどうかは未確認だと伝えます。

さいたま市の物件は、北部・南部建設事務所の建築指導課に相談します。埼玉県内のその他の市町村は、県の建築行政窓口一覧で担当を調べます。東京23区の物件は、所在地の区の建築指導担当に相談します。

前面が42条道路でない通路の土地について、重説に書くことと次の相談先の判断です。建築基準法42条・43条と、東京都・埼玉県・さいたま市の公式案内に基づき当事務所作成。

認定と許可は、必要な条件と手続が違います

区分法律上の要点調査で確認すること
43条2項1号の認定基準に適合する幅員4m以上の道に2m以上接するなど、法令で定める建物について特定行政庁が認定する制度。建築審査会の同意は不要。道の種別・幅員、敷地の接道、用途・延べ面積等、所在地の認定基準。
43条2項2号の許可敷地周囲の空地や通路等の条件を踏まえ、特定行政庁が安全等に支障がないと認め、建築審査会の同意を得て許可する制度。通路の幅・接続先、周囲の状況、権利者の同意、建物計画、自治体の許可基準と履歴。

認定・許可のいずれも、『道そのものを42条道路に指定する手続』ではありません。処分を受けた建築計画について43条1項の接道義務を適用しない扱いです。過去に別の建物で認定・許可を受けた場合は、今回の建替えにそのまま利用できるかを所管へ確認します。

重要事項説明書では、道路種別・接道の欄に『42条道路に接する』と書き換えません。建築基準法43条に関する制限と、取得済みの認定・許可や未取得の状況を、資料に基づいて記載します。

通路の道路種別と過去の認定・許可を調べます

  • 敷地が接する全ての道を確認する

    公図、測量図、現地で、建築上の一敷地がどの道に何m接するかを記録します。42条道路へ別の場所で接していれば、その接道条件を先に調べます。

  • 建築担当で42条道路の指定を照会する

    公式道路種別図の表示がないだけで『道路ではない』と断定しません。地番と通路の位置を示し、42条の指定・判定の有無、未判定かどうかを確認します。

  • 既存建物の資料と処分記録を集める

    建築計画概要書、建築確認・検査の記録、43条認定書・許可書、付された条件、通路所有者の承諾書、位置図・配置図を確認します。旧法43条1項ただし書許可の記録も確認対象です。

  • 現在の建築計画について所管へ相談する

    通路幅、42条道路への接続、権利関係、敷地形状、用途・延べ面積を示し、認定か許可の対象となり得るか、必要な同意・通路整備・申請資料を質問します。買主の計画が未定なら建替えを保証しません。

  • 調査結果と未確定事項を分けて記載する

    過去の処分番号・年月日・対象建物、現在の道路種別、今回の認定・許可の取得状況、追加協議の必要性を整理します。窓口での相談段階と正式な認定・許可の取得は分けます。

窓口での質問例

『地番○番○の敷地は、この通路に約○m接しています。通路は42条道路に該当しますか。該当しない場合、過去にこの敷地または建物について43条2項の認定・許可、旧ただし書許可がされていますか。今回予定する住宅の用途・規模では、1号認定か2号許可の相談対象になりますか。通路幅、権利者の同意、整備、必要図書と相談先を教えてください』と、公図・測量図・配置図を示して尋ねます。

法律と制度の公式資料:建築基準法42条・43条東京都|43条2項の認定・許可埼玉県|43条2項の事前相談と申請

取得済みの処分と、取得できる可能性を区別して書きます

記載例① 既存住宅に2号許可の記録がある場合

架空の土地です。所管に前面通路が42条道路ではないことを確認し、現存する建物について43条2項2号許可書と建築計画概要書を確認しました。買主の建替え計画は未定です。

重説記載例

前面通路は建築基準法42条の道路ではありません。現存建物について、令和○年○月○日付の同法43条2項2号許可(許可番号○号)を確認しています。この許可は現存建物の建築計画に関するもので、買主の将来の建替えについて認定・許可を受けられることを示すものではありません。建替えの際は通路・敷地・建築計画を示して所管行政庁へ事前相談が必要です。

記載例② 道路種別と認定・許可の確認が未了の場合

架空の土地です。道路種別図では42条道路の表示がなく、測量図では通路幅が約3.2mです。所管の道路判定と過去の処分記録は未確認です。この段階で『再建築不可』とも『43条許可取得可能』とも断定できません。

調査途中の説明例

敷地前面の通路について、建築基準法42条道路に該当するかは本調査時点で所管の判定を確認できていません。42条道路に該当しない場合は、同法43条2項の認定・許可が必要となる可能性があります。過去の処分記録および今後の建替えの可否も未確認です。売買契約前に所管行政庁への照会と資料確認を要します。

例②は完成した重説文案ではなく、調査が終わっていないことを買主と売主へ知らせるための文です。建替えの可否が価格や購入目的に関係する土地では、曖昧なまま契約を進めず、担当窓口と建築士に確認します。

認定・許可の相談先は、所在地と建物計画で確認します

さいたま市

市は43条2項1号認定基準と2号許可基準を公開しています。所在地を担当する北部・南部建設事務所の建築指導課へ、建築計画と通路の資料を示して相談します。西・北・大宮・見沼・岩槻区は北部、中央・桜・浦和・南・緑区は南部です。

埼玉県内のその他の市町村

県の建築行政窓口一覧で特定行政庁・建築安全センターの所管を調べます。県所管の地域でも建物の規模や種類によって相談先が変わります。熊谷建築安全センターは、道路該当性の確認、事前相談、相談票、認定・許可申請、建築確認申請の順を案内していますが、この流れを県内の全市町村へそのまま当てはめないでください。

東京都23区

道路種別と43条2項については、まず物件所在地の区の建築担当に相談します。東京都の認定・許可基準は東京都が特定行政庁として扱う案件の基準で、23区の全物件に一律適用される基準ではありません。建物の規模等により都が所管する場合は、区の案内に従って都の担当へ確認します。

たとえば杉並区では、道路種別の概要を『すぎナビ』で見られますが、最新・詳細は区役所西棟4階の窓口確認が必要です。地図に42条道路と表示されない通路も、対象地と通路を公図に示して判定を求めてください。

東京23区の道路調査窓口一覧で所在区の担当を確認できます。建築基準法上の通路の扱いと、通路土地の所有者・管理者は別に調べます。

埼玉県・東京23区の確認先:さいたま市|43条2項の認定・許可基準埼玉県|建築行政の窓口埼玉県熊谷建築安全センター|43条2項の取扱い東京都|43条2項の認定・許可杉並区|道路種別図の確認方法

過去の建築確認や許可で、将来の建替えを保証しないでください

誤った判断買主への影響保存する資料
通路を42条道路として説明接道義務を満たす前提で設計・融資を進め、建築確認前に計画変更が必要になる可能性があります。道路種別の回答、通路の図面、測量図。
過去の43条許可を建替え保証と説明新しい用途・規模や現況が基準に合わず、認定・許可を受けられない可能性があります。過去の許可書・条件、現在の窓口相談記録。
通路の所有・承諾を調べない通路整備や掘削に必要な合意を得られず、工期・費用に影響する可能性があります。登記事項、承諾書、協定、関係者への照会記録。

買主が希望する建物がある場合は、用途・規模・配置を示して確認します。計画がまだない場合は、確認できた通路の状況と過去の処分だけを記載し、将来の建築可否を断定しません。

道路でない通路に面する物件の重説でお困りなら

物件調査から重要事項説明書の作成まで対応します

  • 埼玉県全域・東京都23区の売買物件に対応
  • 道路種別、通路、過去の認定・許可資料を調べて重要事項説明書ドラフトを作成

標準的な1物件88,000円(税込)。公的資料取得実費は別途です。

道路該当性、過去の処分、現在の建築計画の相談事項を区別して整理します。

物件調査・重要事項説明書の作成を依頼するサービス内容と依頼の流れをご確認いただけます。

通路と43条認定・許可でよくある質問

43条2項の認定と許可は同じですか?

違います。1号は法令で定める道・建物の条件に適合する場合の認定、2号は敷地周囲の状況などを審査し建築審査会の同意を要する許可です。所在地の所管基準を確認してください。

昔の『43条ただし書許可』があれば建替えできますか?

過去の許可内容を確認する資料にはなりますが、新しい建物の許可を保証しません。処分書・条件と現在の敷地・通路を示して所管へ相談します。

43条の許可を受けると通路は42条道路になりますか?

なりません。43条2項は建築計画について接道義務の例外を認める制度です。通路そのものの道路指定とは別です。

市街化調整区域の43条許可と同じですか?

別です。調整区域に関する都市計画法43条と、接道に関する建築基準法43条を分けて調査します。

2026年9月24日時点の法令・自治体公式資料を確認しました。記載例は架空の物件です。43条2項の認定・許可は敷地、道、建物の用途・規模・計画ごとに判断されます。過去の処分や相談結果だけで将来の建替え可否は確定しません。