【簡単診断】未完成物件の形状・構造・仕様|重要事項説明書の調べ方と記載例
完成時の配置・間取り・構造・仕上げ・設備を、図面と別紙で説明します
工事完了前の土地・建物は、完成時の状態を説明します。売主から対象区画・住戸の図面、仕上表、設備仕様書を入手し、説明に使う版を設計者等へ確認します。重説には資料を特定する情報を書き、必要な図面・別紙を買主へ交付して説明します。
重説では、インフラの整備状況の後に設けられる『工事完了時の形状・構造等』の欄に、完成後の説明に使う別紙・図面を記載します。土地用は造成後の宅地、土地建物用は敷地と建物、区分所有建物用は一棟と対象住戸を確認します。欄名や番号は使用する書式で確かめてください。
未完成物件の説明事項:宅建業法35条1項5号施行規則16条国交省・解釈運用(24頁)
未完成物件は何を調べる?簡単診断
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- 確認2対象区画・住戸の図面と仕様書の状況は?
- 結論図面・仕様書を交付して説明
- 結論売主・設計者に採用版を照会
- 結論不足資料と未定仕様を売主に照会
- 結論完成資料と現況を照合して説明
- 結論既存物件の建物・設備等の調査
- 確認1売買する物件の工事は、どの段階ですか?結論完成資料と現況を照合して説明結論既存物件の建物・設備等の調査
- 確認2対象区画・住戸の図面と仕様書の状況は?結論図面・仕様書を交付して説明結論売主・設計者に採用版を照会結論不足資料と未定仕様を売主に照会
- 図面・仕様書を交付して説明
完成時の配置・間取り・構造・仕上げ・設備を説明します。対象物件と資料名・作成日・版を重説の別紙に明記します。
- 売主・設計者に採用版を照会
変更箇所と計画変更確認等の要否・処理状況を確認します。買主に説明する図面と契約の仕様を一致させます。
- 不足資料と未定仕様を売主に照会
説明に必要な図面・仕様をそろえます。完成内容や費用が未定のまま、広告や他の住戸の資料で補わないでください。
- 完成資料と現況を照合して説明
完成した新築や造成済みの土地も、国交省の解釈・運用では形状・構造等を説明します。完成したことだけを理由に省略しません。
- 既存物件の建物・設備等の調査
未完成物件の説明とは別に、建物の表示、増改築、保存資料、設備等を調べます。既存物件でも必要な説明は省けません。
必要な資料と追加の確認先が分かります。売買契約の可否や建築の適法性は、必要な許可・確認等の記録や個別の計画を調べて判断します。
未完成の建売やマンションは、重要事項説明書に何を書けばよいですか?
建築中で中を見られない物件では、完成後の間取りや設備を図面と仕様書で説明します。ただ、販売図面には『3LDK』『システムキッチン』としか書かれていないこともあります。どの資料を集め、どこまで具体的に説明すればよいのでしょうか。
形状・構造・仕様とは?何を見れば分かりますか?
形状
土地や建物の形・大きさ・配置を指します。完成後の敷地の形、建物の位置、各階の床面積、間取りなどを図面で確認します。
構造
木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の別や階数、屋根、主要構造部の材質などです。『木造』という名称だけで耐震等級まで分かるわけではありません。
仕様
工事で採用する材料・仕上げ・設備の内容です。床・壁・天井の仕上げ、外壁、キッチン、給湯器などを仕様書・仕上表・設備表で確認します。標準仕様と有料オプションも区別します。
造成中の土地は、完成後の高低差・擁壁・道路まで説明する
未完成物件は建物だけではありません。造成中の土地なら、完成後の地積・各辺の長さ、道路との高低差、擁壁・階段・排水施設等の位置と構造、接する道路の構造・幅員を確認します。現況が更地でも、造成後に擁壁や段差が設けられる計画なら、その内容が必要です。
マンションは、一棟・所在階・対象住戸の図面を確認する
敷地内の一棟の位置、対象住戸がある階、対象住戸の平面図を確認します。違う階・別タイプの間取りを説明に使わないよう、棟・階・住戸番号・タイプを照合してください。共用施設、専用使用部分、設備の管理区分は、配置図や管理規約案とも照合します。
完成した新築なら、この欄は省けますか?
法35条1項5号は工事完了前の物件を対象にしています。一方、国交省の解釈・運用は、工事完了時の売買でも同様に形状・構造等を説明する扱いです。使用書式に『未完成物件または新規物件』とあれば、完成済みの新築も確認対象です。『新築だから未完成』『完成したから説明不要』とは判断しません。
図面・仕様書はどこで取得し、何を照合すればよいですか?
| 資料 | 主な取得先と確認内容 |
|---|---|
| 配置図・造成計画図 | 売主・造成事業者・設計者へ依頼します。区画、建物位置、道路幅員、高低差、擁壁、外構・排水の計画を確認します。高さの基準となる点も設計者へ質問します。 |
| 各階平面図・住戸平面図 | 売主・設計者から入手します。面積、部屋の位置・広さ、収納、開口部、設備の配置を確認します。マンションは階平面図と住戸番号も必要です。 |
| 構造概要・立面図等 | 売主・設計者へ依頼します。構造種別、階数、屋根の種類、主要構造部の材質を確認します。専門的な判読が必要なら設計者の説明を受けます。 |
| 仕上表・標準仕様書 | 売主・設計者から、対象物件で採用する版を取得します。内装・外装の材質、仕上げ、対象範囲を確認します。会社の一般カタログを受け取った場合も、対象物件で採用する内容を売主に質問します。 |
| 設備表・オプション明細 | 売主・販売担当者へ確認します。設備の有無、配置、数量、品番等、売買代金に含むもの、追加料金が必要なものを確認します。照明・エアコン・家具など、モデルルームにあるものも一つずつ確認します。 |
| 確認済証・確認申請図書・変更資料 | まず売主・設計者の保管資料を確認します。必要に応じて、建築確認を行った行政庁・指定確認検査機関へ照会します。確認番号と年月日は確認済証と行政記録を比べ、対象建物は地番・建築主・規模等で特定します。変更があれば、変更図面と手続の記録も調べます。 |
役所で取得できる建築計画概要書は、建築主・位置・規模などを確認する資料です。全室の間取りや仕上げ、売買代金に含む設備の明細をすべて取得できるわけではありません。図面・仕様書の取得先は、まず売主・設計者です。
- 対象区画・建物・住戸を特定する
地番、区画番号、棟、住戸番号、建築確認番号を一覧にします。住居表示が未定なら、地番と配置図等で物件を特定します。
- 説明に使う資料一式と採用版を取得する
図面名、作成日、図面番号、改訂番号、仕様書の版を記録します。確認申請用の図面と販売用の図面が違えば、施工に採用する図面・仕様と変更内容を売主・設計者へ確認します。
- 広告・見積り・契約案と照合する
床面積、間取り、材質、設備、外構、追加費用を比較します。違いがあれば、採用内容と修正資料を売主から書面で回答してもらいます。
- 別紙を作成し、必要な図面とともに交付・説明する
完成時の内容と資料を対応させます。図面を渡すだけで説明を済ませず、対象箇所を示して設備・仕上げ・変更事項を伝えます。
- 引渡し前に、変更履歴と完成状態を再確認する
契約時の資料と完成資料・現況を照合し、変更があれば説明と当事者の合意を確認します。専門的な施工確認は建築士等へ依頼します。
売主・設計者への質問例
- 対象物件と採用図面『○号棟(○号室)の売買説明に使用する、現在の採用図面と仕様書をお願いします。資料名・作成日・改訂番号を教えてください。確認申請図書との差異はありますか。』
- 標準仕様・オプション『このキッチン・照明・収納・外構は売買代金に含まれますか。別途購入が必要なものと、設置しないものを明示してください。』
- 計画変更『間取り・面積・材質・設備に変更はありますか。変更図面はどれですか。計画変更確認等の要否と処理状況、買主への説明内容を教えてください。』
- 未定の項目『未定なのは色だけですか、材質・性能・金額も未定ですか。選択可能な範囲、追加費用、決定期限はどの書面で確認できますか。』
別紙には何を書く?物件別の記載例
以下は当事務所作成の架空例です。図面の名称・日付・数値等は、実際に確認した資料に合わせてください。図面に記載した事項は、交付・説明した図面を明確に特定すれば重説本文に全部書き直す必要はない、というのが国交省の扱いです。『別紙参照』とだけ書き、資料を渡さない説明ではありません。
建築中の建売住宅
『工事完了時の形状・構造等は、別添「完成時仕様説明書(A号棟)」および配置図A-01・各階平面図A-02(令和8年10月1日作成、第2版)による。木造2階建て、屋根は金属板葺、計画床面積は1階52.00㎡・2階48.00㎡。内外装は別添仕上表、設備の有無・配置・数量は別添設備表による。標準仕様に含まれない設備は同表に明記する。』
別紙には、外壁・室内の壁・天井・床等の材質と仕上げ、主要構造部、屋内外の主要設備を具体的に記載し、図面とともに買主へ交付します。計画面積を、完成後に登記される面積と断定しないでください。外構を含む範囲も明示します。
新築分譲マンションの一住戸
『対象はB棟5階501号室Cタイプ。工事完了時の形状・構造等は、別添敷地配置図、5階平面図、501号室平面図およびCタイプ仕様書(各令和8年10月1日、第3版)による。住戸内の仕上げと標準設備は同仕様書に記載し、有償オプションは別添申込明細による。モデルルームの家具・装飾品は売買対象に含まない。』
同じタイプ名でも階・位置・選択仕様が違う場合があります。専有面積の表示方法、共用施設、専用使用部分、有償オプションの対象と費用を確認し、関連欄・売買契約と整合させます。
造成中の分譲宅地
『造成完了時の形状・構造等は、別添第1区画造成説明書、平面図および断面図(令和8年10月1日、第2版)による。計画面積120.00㎡、各辺の長さと接道位置は同平面図記載のとおり。前面道路との高低差、擁壁・階段・排水施設の位置・構造、道路の幅員・舗装等は同説明書および図面による。』
平面図に面積と各辺の長さだけが記載されている場合は、高低差・擁壁等が分かる断面図や資料を造成事業者・設計者から取得します。許可の対象と造成計画の一致も確認し、許可番号等は法令上の制限の欄でも説明します。
未定仕様・変更があるとき
例えば色の選択だけが未定なら、選択できる色、期限、追加料金の有無を特定できます。一方、面積、構造、重要な設備、費用まで未定なら、売主・設計者へ採用内容と追加資料を求めます。担当宅建士と未定項目を確認し、買主へ必要な説明を行える日程で契約を検討します。『仕様は変更されることがあります』という一文で、変更内容の説明や契約上の合意を済ませません。
変更資料を受領したら、旧版と新版の違い、採用日、費用、完成・引渡し予定への影響を記録します。計画変更確認の要否は設計者と、建築確認を行った行政庁・指定確認検査機関へ照会します。契約内容を変更する場合は、重説や仕様書の修正に加えて、売主・買主の合意を確認します。
埼玉県・東京23区で、役所には何を確認しますか?
役所には建築確認・許可・検査の手続と記録を、売主・設計者には完成時の仕様と契約内容を確認します。役所の窓口で設備のグレードや売買代金に含む範囲まで確定できるわけではありません。未完成物件の説明事項は全国共通ですが、行政の担当窓口は所在地・建物の規模等で確認が必要です。
埼玉県の建築確認は、どの窓口に聞けばよい?
さいたま市・川口市などの特定行政庁は各市が建築行政を担当します。それ以外は、限定特定行政庁が担当する小規模建築物か、県の建築安全センター等が担当する建築物かを県の窓口一覧で確認します。市町名だけでなく、用途・構造・階数・延べ面積も伝えて所管を確認してください。民間の指定確認検査機関が確認を行った場合は、確認済証に記載された機関も照会先です。
さいたま市は2026年4月1日の組織改正後、概要書等の閲覧・交付は北部建築指導課(大宮区役所6階)・南部建築指導課(中央区役所別館2階)、建築確認等は建築審査課(大宮区役所6階)と案内しています。概要書等は原則として窓口閲覧・交付システムを利用します。システムで記録を確認できない物件は、建築指導課の窓口へ相談します。
埼玉県の照会先:埼玉県・建築行政の窓口と規模別所管さいたま市・2026年の所管変更と閲覧方法
東京23区は、原則1万㎡以下が区、1万㎡超が都の所管です
都の所管案内では、原則として延べ面積10,000㎡以下の建築物は区、10,000㎡を超える建築物は東京都都市整備局市街地建築部が窓口です。特殊用途等の例外があり、住戸単独の床面積では判断しません。マンションも建物全体の規模・用途等で所管が決まるため、確認済証とその建物の資料を示して確認します。
東京都所管の建築計画概要書等には電子閲覧がありますが、オンラインで閲覧できる概要書PDFには付近見取図・配置図が含まれません。必要な図面は売主・設計者の保管資料から取得します。所管窓口にも、閲覧できる図面の範囲を確認します。
東京都の所管と閲覧条件:東京都・23区内の建築確認等の所管東京都・電子閲覧で取得できる資料
窓口での質問例
『重要事項説明書作成のため、地番○○、建築主○○、確認番号○○の建物について確認します。この建物の所管はどちらですか。確認・許可の記録と計画変更の記録、閲覧・取得できる資料を教えてください。手元の図面に変更があるのですが、手続の要否は申請した設計者・確認機関のどちらへ照会すればよいですか。』回答日・部署・担当者・資料の名称を記録します。
モデルルームの設備は、売買代金に含まれていますか?
照明、エアコン、食洗機、造付収納、門・塀などが、実際に付くか、別料金かを確認します。標準仕様とオプションを取り違えると、買主が追加費用を負担したり、想定した生活設備がない状態で引渡しを受けたりするおそれがあります。仕様の違いは修補や費用負担などの紛争にもなり得るため、広告・重説・契約・設備表を照合します。
建築確認等の処分前は、広告・売買契約等が制限されます
未完成物件の売買では、宅建業法33条・36条により、工事に必要な建築確認・開発許可等の処分を受ける前の広告や契約・媒介が制限されます。『図面がある』『確認申請中』だけでは足りません。必要な処分の有無と対象計画を確認してください。
建築確認・中間検査・完了検査の調査方法/法令上の制限を調べるチェックリスト
広告・契約の時期の制限:宅建業法33条・36条
図面・仕様資料の確認から重要事項説明書ドラフト作成まで対応します
- 対象物件・説明資料・変更履歴と不足資料の整理
- 完成時の形状・構造・仕様の説明別紙と重説記載の検討
- 埼玉県全域・東京都23区の売買物件に対応
標準的な1物件88,000円(税込)、公的資料取得実費は別途です。未完成物件は資料量と調査範囲を確認し、対応内容・費用をお伝えします。建物設計・工事監理・施工検査は含みません。最終確認と宅建士による説明は、取引を担当する宅建業者で行います。
所在地、物件種別、工事の進捗、売主の図面・仕様書をお知らせください。
物件調査・重要事項説明書の作成を相談する埼玉県全域・東京都23区/売買物件未完成物件の重要事項説明でよくある質問
広告の間取り図やパンフレットを、そのまま渡せばよいですか?
対象物件と採用版が一致し、必要な説明事項が分かるかを確認します。広告だけで材質・設備・外構・高低差などが分からなければ資料を追加します。完成予想図は外観の参考にはなりますが、寸法や仕様の説明資料の代わりにはなりません。
建築計画概要書と台帳記載事項証明書があれば、仕様も分かりますか?
概要書は建築計画の概要、台帳記載事項証明書は台帳の記録を確認する資料です。設備明細や仕上げ仕様は売主・設計者から取得します。概要書と台帳記載事項証明書の取得方法
建築条件付き土地も、建売と同じ書き方ですか?
土地の売買と建物の工事請負は契約が異なります。造成中の土地については、造成後の形状等を説明します。参考建物プランを、売買対象の完成仕様と決め付けないでください。建物を売買する契約なのか、土地売買と別に請負契約を締結するのかを確認します。
確認済証があれば、設備や住宅性能も保証されますか?
確認済証は、確認対象の建築計画についての書類です。売買代金に含む設備の範囲や完成後の施工状態、広告した住宅性能を一括して保証するものではありません。性能評価等を説明するなら、その評価書と対象・内容も確認します。
完成前なので、検査済証がなくてもおかしくないですか?
工事未完了で完了検査前なら、完成後の検査済証はまだ交付されていません。未交付であること、検査・引渡しの予定を確認します。既に完成しているのに検査済証がない場合は、完了検査の申請・受検・交付の記録を別途調べます。