重要事項説明書 登記記録|25

表題部の読み方・書き方|土地・建物と現況を照合する

表題部は、どの欄を見て重要事項説明書へ書けばよいですか?

登記事項証明書の最初に表題部があります。土地なら地番・地目・地積、建物なら家屋番号・種類・構造・床面積をそのまま転記すればよいのでしょうか。現地と違うときの扱いも知りたいです。

表題部は登記上の物件表示です。現況と分けて照合します

表題部には不動産を特定するための表示が記録されます。土地は所在・地番・地目・地積、建物は所在・家屋番号・種類・構造・床面積が中心です。重説には登記上の表示を正確に写し、そのうえで現況、売買対象、役所資料との不一致を別に説明します。

表題部は権利部ではありません。所有権の登記がない不動産では表題部所有者が記録されることがありますが、通常の売買で現在の所有者や担保権を確認する中心は甲区・乙区です。

また、登記の地積から土地の形状や境界位置までは分かりません。法務局の見本資料も、表題部の面積と、地図・地積測量図による位置・形状・境界の調査を分けています。

表題部と現況が違うとき重説にどう書くかの診断フローチャート

当てはまる答えを押すと、あなたの場合の結論に色が付きます。

表題部の表示を重説へ書く
確認1現地と比べるのは、土地の表題部ですか、建物の表題部ですか?
  • 確認2登記の地目と、現地の使われ方は同じですか?
    • 結論登記どおりに記載
    • 結論登記地目と現況の利用を分けて記載
  • 確認3建物の表題部と現地で、違っているところはありますか?
    • 結論未登記増築の範囲と適法性を調査
    • 結論滅失登記の要否と決済条件を確認
    • 結論登記どおりに記載
  1. 確認1現地と比べるのは、土地の表題部ですか、建物の表題部ですか?
  2. 確認2登記の地目と、現地の使われ方は同じですか?
    結論登記どおりに記載
    結論登記地目と現況の利用を分けて記載
  3. 確認3建物の表題部と現地で、違っているところはありますか?
    結論未登記増築の範囲と適法性を調査
    結論滅失登記の要否と決済条件を確認
    結論登記どおりに記載
  • 登記どおりに記載

    現在効力のある表示を、数字を丸めず登記どおりに重説へ書きます。下線のある旧地番・旧地目・旧地積は、現在の表示として書きません。

  • 登記地目と現況の利用を分けて記載

    重説の地目は登記どおりに書き、現況の利用は備考などの欄に書きます。駐車場として貸しているなら賃貸借と引渡しの状態も説明し、地目変更登記を誰がいつまでにするかを売買契約書に定めます。

  • 未登記増築の範囲と適法性を調査

    建築確認、課税台帳、図面と現地を見比べ、未登記の増築がどの範囲か、適法に建てられたか、登記と融資に影響するかを調べます。重説の床面積は登記どおりに書き、現況との差は備考などの欄に書きます。

  • 滅失登記の要否と決済条件を確認

    附属建物がいつ無くなったかと、登記名義人を確認します。滅失登記が要るか、誰がいつまでにするかを決め、決済の条件として売買契約書に定めます。

現況が違っていても、重説の地目・地積・床面積は登記どおりに書き、現況との差は備考などの欄に書きます。

表題部の表示と現況が違う場合の重説記載の判断です。不動産登記法と法務省・法務局の資料に基づき当事務所作成。

表題部を読むときの8つの確認点

  • 不動産番号一筆の土地・一個の建物ごとの13桁の番号です。再取得時や複数資料の同一性確認に使います。
  • 現在効力を有する表示下線・抹消表示のある旧地番、旧地目、旧地積を現在値として転記しません。変更・分筆・合筆の履歴も原因欄と合わせて読みます。
  • 土地の所在と地番住居表示ではありません。町名・字と地番を分け、契約対象全筆と一致するか確認します。
  • 土地の地目と地積宅地、田、畑、公衆用道路等の登記地目と面積です。現況地目・実測面積と同じとは限りません。
  • 建物の所在と家屋番号土地地番と建物の家屋番号は同じとは限りません。未登記附属建物や家屋番号のない建物にも注意します。
  • 建物の種類・構造・床面積居宅、店舗等の種類、木造・鉄骨造等の構造、階ごとの床面積を建築資料・現況と照合します。
  • 附属建物物置、車庫等が表題部に記録される場合があります。売買対象・現存の有無・未登記建物を確認します。
  • 区分建物の4層一棟の建物、敷地権の目的である土地、専有部分、敷地権の表示を土地の符号で照合します。

表題部から重説へ書く手順

  • 物件種別を判定する

    土地、一般建物、区分建物のどれかを確認し、対応する表題部の構造で読みます。

  • 現在表示と履歴を分ける

    抹消された旧表示を残したまま、現行の所在・地番等を抽出します。履歴を消さず、現在値だけを別に整理します。

  • 売買対象一覧と一字ずつ照合する

    地番、家屋番号、符号、持分等を契約書案・固定資産資料・販売図面と照合します。数字を丸めたり、住所表記へ置き換えたりしません。

  • 現地・役所資料と照合する

    地目と利用状況、建物種類・構造・階数、増改築、附属建物、床面積の不一致を記録します。

  • 登記上と現況を二段で記載する

    登記上の表示は登記どおり記載し、現況との差は備考・その他の重要事項等、利用書式に応じた欄で具体的に説明します。

  • 不一致の処理を契約条件へつなぐ

    地目変更、表題変更、増築登記等を誰がいつまでに行うか、行わない場合にどう引き渡すかを契約書とそろえます。

土地と建物の表題部をHTMLで読み比べます

架空の登記例土地の表題部|架空例

表題部(土地の表示)

所在地番地目地積原因及びその日付[登記の日付]
さいたま市浦和区高砂一丁目101番宅地330.56㎡―
さいたま市浦和区高砂一丁目101番1宅地165.28㎡101番から分筆/令和5年4月3日
旧地番101番の行は履歴です。現在の売買対象は101番1ですが、分筆後の他筆が売買対象から漏れていないかも確認します。
架空の登記例一般建物の表題部|架空例

表題部(主である建物の表示)

所在家屋番号種類構造床面積原因及びその日付[登記の日付]
さいたま市浦和区高砂一丁目101番地1101番1居宅木造かわらぶき2階建1階 72.45㎡/2階 58.12㎡平成12年5月20日新築[平成12年6月1日]

表題部(附属建物の表示)

符号種類構造床面積原因及びその日付
1物置木造亜鉛メッキ鋼板ぶき平家建8.20㎡平成13年3月10日新築
主である建物だけでなく、附属建物も売買対象・現存状況と照合します。登記に物置があるのに現地にない場合は、滅失登記の要否も確認します。
登記と現況の不一致確認資料重説・契約での扱い
地目が宅地、現況は駐車場現地、課税、都市計画、利用契約登記地目と現況利用を分け、用途・賃貸借・引渡状態を説明します。
登記床面積より現況が大きい建築確認、課税台帳、図面、現地未登記増築の範囲、適法性、登記・融資への影響を調べます。
附属建物が現存しない現地、滅失時期、登記名義人売買対象に含めず放置するのではなく、滅失登記と決済条件を確認します。

東京23区・埼玉県でも、登記表示と現況資料は別に集めます

表題部の法的構造に地域差はありません。一方、建築計画概要書、固定資産課税資料、道路台帳、都市計画図等の取得窓口・公開方法は区市町村で異なります。登記の記載を自治体資料に合わせて書き換えず、不一致を調査結果として残します。

主な公式資料:不動産登記のABC土地登記事項証明書の見本

数字は補わず、登記どおりに残します

toukiプロジェクトでは、読み取った登記の数字を勝手に補正せず、変更履歴と抹消状態も保持します。重説作成でも同じで、転記時に都合よく整えるのではなく、不一致の理由を調査対象にします。

登記と現況の不一致を含めて整理したいときは

物件調査から重要事項説明書の作成まで対応します

  • 埼玉県全域・東京都23区の売買物件に対応
  • 登記表示、現況、役所資料、契約資料を照合して重要事項説明書ドラフトを作成

標準的な1物件88,000円(税込)。公的資料取得実費は別途です。

土地・建物・区分建物の表題部を読み分け、現況との差を未確定事項も含めて整理します。

物件調査・重要事項説明書の作成を依頼するサービス内容とご依頼の流れをご確認いただけます。

表題部でよくある質問

表題部所有者は、現在の所有者ですか?

所有権登記がない不動産で表題部に所有者として記録された人です。所有権の登記がある物件では、現在の所有権は甲区を読みます。表題部所有者だけで売主を確定しません。

登記地目と現況が違えば、現況を書けばよいですか?

登記上の地目と現況地目を分けて記載します。登記欄を現況へ置き換えず、差異と地目変更登記の予定を確認します。

表題部の地積で境界も確認できますか?

できません。地積は面積の記録であり、位置・形状・境界点は公図、地積測量図、境界確認資料、現地等を別に調べます。

この記事は2026年9月9日時点の不動産登記法、宅地建物取引業法、法務省・法務局資料と、toukiプロジェクトの土地・建物・区分建物の表題部読取設計を確認して作成しています。表題部の表示と現況が違う場合は、登記を現況に読み替えず、両方を分けて記録してください。