重要事項説明書 道路・接道|48

位置指定道路と私道は同じ?指定図の調べ方と重説の書き方

私道が位置指定道路なら、重説には『建築できます』と書けますか?

前面は住民が使う私道です。道路種別図では位置指定道路の色が付いています。指定を受けているなら、その道を通って建替え工事や水道管の工事もできるのでしょうか。

道路の指定と、私道を使う権利は別です

位置指定道路は、土地を建築物の敷地として利用するため特定行政庁から建築基準法42条1項5号の指定を受けた道です。一方、私道は所有・管理の別です。位置指定を受けた私道でも、指定図どおりの道路が確保されているか、敷地がその道路に接するか、通行・掘削に必要な権利があるかを別々に調べます。

位置指定道路が私有地の場合もありますが、『位置指定道路=私道』ではありません。反対に、私道だからといって建築基準法上の道路とは限りません。道路種別欄へ私道とだけ書かず、42条の何項何号かを調べます。

重説では、法令上の道路種別・指定された位置と幅員、現況との差、接道長を扱います。別途、売買対象の私道持分、通行・掘削に関する承諾、負担金や維持管理の定めを資料で確認し、該当欄や特記事項に反映します。

位置指定道路・私道の重説の書き方の診断フローチャート

当てはまる答えを押すと、あなたの場合の結論に色が付きます。

前面が私道の土地を売買する
確認1建築指導担当の回答で、前面道路は42条1項5号の指定を受けていますか?
  • 確認2指定図と現況で、幅員や隅切りは合っていますか?
    • 確認3通行・掘削の承諾書や協定はありますか?
      • 結論道路の欄と私道負担の欄に記載
      • 結論私道の所有者に承諾の有無を確認
    • 結論指定図と現況の差を記載
    • 結論建築指導担当に相談し測量を検討
  • 結論42条の何項何号かを確認
  1. 確認1建築指導担当の回答で、前面道路は42条1項5号の指定を受けていますか?
    結論42条の何項何号かを確認
  2. 確認2指定図と現況で、幅員や隅切りは合っていますか?
    結論指定図と現況の差を記載
    結論建築指導担当に相談し測量を検討
  • 42条の何項何号かを確認

    私道でも、道路種別の欄には42条の何項何号かを書きます。5号でなければ何項何号なのかを、建築指導担当に聞きます。42条道路でなかったときの調べ方は、道路でない通路と43条認定・許可で説明しています。

  • 道路の欄と私道負担の欄に記載

    建築基準法上の道路の欄に、42条1項5号の指定番号、指定年月日、指定図上の幅員、接道長を書きます。私道負担等の欄に、持分、通行・掘削の承諾、負担金や維持管理の定めを書きます。

  • 私道の所有者に承諾の有無を確認

    位置指定を受けた私道でも、通行や配管工事の承諾があるかを、私道の所有者に確認します。私道の持分がある土地でも、共有者が誰かと、配管工事でどこを掘るかを調べ、必要なら共有者に確認します。

  • 指定図と現況の差を記載

    売買の前に、指定図と測量図を示して建築指導担当に相談します。重説には、指定図上の幅員と現況の幅員を両方書き、建築確認申請の前に建築指導担当への相談が必要だと書きます。

  • 建築指導担当に相談し測量を検討

    指定の幅員、境界、隅切り、終端のうち分からないところを、指定図・公図・現況測量図を示して建築指導担当に相談します。それでも位置がはっきりしないときは、土地家屋調査士による測量を検討します。

指定図と現況が違うときも、持分と通行・掘削の承諾書は確認します。

前面が私道の土地について、重説に書くことと次の確認先の判断です。建築基準法42条1項5号・43条と、杉並区・さいたま市の公式案内に基づき当事務所作成。

指定図・現況・私道の権利を別々に確認します

確認事項主な資料・照会先誤解しやすいこと
42条1項5号の指定特定行政庁の指定道路図、道路位置指定図、指定番号・指定日・変更・廃止の記録。地図の色だけでは指定された終端・隅切り・幅員まで判定できません。
指定位置と現況指定図、公図、測量図、現地写真。指定位置が不明なら建築指導担当へ。舗装の端が指定された道路の端とは限りません。
私道の権利私道土地の登記事項、公図、持分、通行・掘削承諾書、協定、管理規約。位置指定は通行・配管工事の個別の承諾を代替しません。
接道と建築計画敷地測量図、建築確認配置図、道路の指定図、用途・規模の計画。42条道路に接していても、接道長や条例の条件は別に確認します。

位置指定道路の幅員が図面より狭い、隅切りに塀がある、終端が現況と違う場合は、売買前に所管へ相談します。隣地所有者の土地まで含む指定なら、その権利者と指定道路の復元をどう進めるかも確認が必要です。

指定図を現況と比べ、私道の権利も調べます

  • 前面の道と売買対象筆を特定する

    案内図、公図、登記事項、測量図で敷地と私道の地番を特定します。私道持分が売買対象に含まれるか、複数の土地所有者がいるかも調べます。

  • 指定道路図で42条1項5号か予備調査する

    物件所在地の特定行政庁が公開する図面を確認します。指定範囲の端、接続先の道路、指定番号、地図の更新日を控えます。表示のない区間を無指定と決めつけません。

  • 窓口で指定図と履歴を調べる

    指定番号・指定年月日、道路の幅員、延長、隅切り、転回広場、終端、指定の変更・廃止の有無を質問します。対象地が指定道路に接する部分も図面上で示してもらいます。

  • 指定図と現況を比べる

    現地で幅員、塀・門・電柱、舗装、隅切り、終端を撮影し、測量図と照合します。位置が不明確なら行政の道路位置相談と土地家屋調査士による測量を検討します。

  • 私道の利用と負担を調べる

    私道の所有者・共有持分、通行・掘削に関する契約や承諾、上下水道・ガス管の状況、維持費や負担金を確認します。『指定を受けているから承諾不要』とは判断しません。

  • 重説へ確認済みの事実と未確定の点を書く

    建築基準法上の道路に関する欄には指定内容を、私道負担等の欄には権利・費用をそれぞれ記載します。指定図と現況が違うときは差異と今後の確認先を明記します。

窓口での質問例

『地番○番○の敷地が接する通路は、42条1項5号道路に指定されていますか。指定番号・指定年月日・最新の指定図を確認できますか。指定幅員、隅切り、終端、接道箇所はこの測量図と一致しますか。変更や廃止の履歴はありますか。現況と違う場合、建築確認前にどの相談が必要ですか』と、公図・測量図・写真を示して聞きます。

指定図と現況が一致する場合と、違う場合の記載例

記載例① 指定図と現況が一致する私道

架空の土地です。所管に42条1項5号の指定、指定幅員4.0m、敷地の接道長3.2mを確認し、現況測量図との著しい差異は見られませんでした。私道の持分と掘削承諾については、別に確認した前提です。

重説記載例

前面道路は建築基準法42条1項5号の位置指定道路(指定番号○号、指定日:昭和○年○月○日)です。指定図上の幅員は4.0m、敷地の接道長は約3.2mです。道路種別・指定幅員は○○区の位置指定図、接道長は令和○年○月の測量図で確認しました。私道持分、通行・掘削の権利および負担は別記のとおりです。

記載例② 指定幅員より現況が狭い道路

架空の土地です。指定図では幅員4.0mですが、現況測量図で確認した幅は一部約3.5mです。道路位置の相談前で、建築時の復元範囲は未確定です。

重説記載例

前面通路は建築基準法42条1項5号の位置指定道路(指定番号○号)です。指定図上の幅員は4.0mですが、現況測量図では一部約3.5mです。指定位置と現況が一致していない可能性があり、建築時の道路位置の復元範囲は本調査時点で確認できていません。建築確認申請前に所管行政庁へ相談が必要です。

この例のような差異は、2項道路のセットバックと同じ扱いにはしません。道路位置指定図を確認し、何が指定どおりに確保されていないかを所管へ質問します。

杉並区・さいたま市では、指定図をどこで確認しますか?

杉並区

位置指定道路は杉並区役所西棟4階5番の狭あい道路整備課判定係へ。『すぎナビ』は概要の確認用で、最新・詳細は窓口確認が必要です。指定幅員や道路位置が不明確な既存道路の相談は、区の『建築確認申請前の道路位置の相談』の対象になるか指定日と図面を示して確認します。

さいたま市

市の『指定道路図』で42条1項5号の位置指定道路を予備調査できます。最新情報と指定図は、物件所在地を担当する北部・南部建設事務所の建築指導課で確認します。市の指定道路図だけでその他の道路種別は調べられません。

埼玉県内のその他の市町村・東京23区

建築基準法上の指定の記録は物件所在地の特定行政庁の建築担当へ。埼玉県内では県所管と市町村所管が分かれます。東京23区でも区ごとに位置指定図の公開方法・担当が違います。道路管理者の道路台帳と私道所有者の資料は別に調べます。

杉並区の道路位置相談は、指定位置の幅員・境界・隅切り・終端が不明確な場合の任意の事前相談です。平成元年以降の指定はこの相談の対象外で、区は指定図どおりの復元を案内しています。回答は建築確認申請時の暫定的な道路境界線で、将来にわたる確定ではありません。指定年月日を先に調べてください。

杉並区の区道の道路台帳は西棟4階セルフサービスカウンター、境界図面の証明は土木管理課道路台帳係3番です。位置指定道路の図面を見る5番窓口とは扱う資料が異なります。

杉並区の持ち物と各窓口をまとめた東京23区の道路調査記事も参照してください。位置指定図を見る窓口と道路台帳を見る窓口を分けて掲載しています。

指定道路と窓口の公式案内:杉並区|指定道路図と窓口確認杉並区|位置指定道路の相談杉並区|道路位置相談の対象と効力杉並区|道路台帳の閲覧さいたま市|指定道路図埼玉県|建築行政の窓口

『私道に接道』だけでは、指定幅員や利用条件を説明できません

見落とし買主への影響保存する資料
指定位置・隅切り・終端建築敷地の範囲や建物配置を見直す可能性があります。指定図、測量図、現地写真、窓口回答。
指定幅員と現況との差塀の撤去、道路の復元、設計変更が必要になる場合があります。指定図、幅員測量、所管への相談記録。
私道持分・通行・掘削水道・ガス工事や車両通行の条件、追加費用を巡って調整が必要になる可能性があります。登記事項、承諾書、協定、管理費資料。

私道の通行・掘削は契約や権利の内容で結論が変わります。道路位置指定図を見せてもらっただけで承諾の有無や工事費を確定したことにはしません。

指定図と現況が合わない道路や私道の調査でお困りなら

物件調査から重要事項説明書の作成まで対応します

  • 埼玉県全域・東京都23区の売買物件に対応
  • 指定図、現況、接道、私道の権利資料を確認して重要事項説明書ドラフトを作成

標準的な1物件88,000円(税込)。公的資料取得実費は別途です。

道路の指定と私道の権利について、確認済みの事項と追加照会が必要な事項を分けます。

物件調査・重要事項説明書の作成を依頼するサービス内容と依頼の流れをご確認いただけます。

位置指定道路・私道でよくある質問

位置指定道路は必ず私道ですか?

必ずしもそうではありません。42条1項5号は建築基準法上の指定、私道は所有・管理の別です。指定記録と土地の登記を分けて調べます。

私道の持分があれば掘削の承諾はいりませんか?

持分の有無だけで一律には判断できません。共有の内容、既存の承諾書・協定、工事の範囲を調べ、必要なら関係権利者へ確認します。

杉並区で位置指定道路を聞く窓口はどこですか?

区役所西棟4階5番の狭あい道路整備課判定係です。指定番号・指定図と、公図・測量図・現況写真を持参すると具体的に相談できます。

位置指定道路が現況3.5mなら、2項道路のように中心から後退しますか?

同じ扱いとは限りません。位置指定図で指定された位置・幅員を確認し、現況との差と復元方法を所管へ相談します。

2026年9月24日時点の公式資料を確認しました。記載例は架空の物件です。位置指定図と現況が違う場合、道路の位置・敷地の接道・建築可否は個別の図面を示して所管窓口へ確認してください。通行・掘削の私法上の権利は指定だけでは確定しません。