敷地権の種類・割合の書き方|細かな分数を登記から読む
100000分の6847は、約6.85%と書いてもよいですか?
区分建物の登記に『敷地権の種類 所有権』『敷地権の割合 100000分の6847』とあります。分数が細かく読みにくいので、小数や百分率へ直したり、約分したりして重要事項説明書へ書いてもよいでしょうか。
種類も割合も、土地の符号ごとに登記どおり転記します
敷地権の割合は、100000分の6847のような分数のまま転記します。約6.85%への丸め、小数化、独自の約分はしません。土地が複数筆なら、土地の符号ごとに種類と割合を対応させます。
不動産登記規則118条は、敷地権の記録事項として『敷地権の種類』と『敷地権の割合』を定めています。法務省の区分建物登記の様式例でも、土地の符号、敷地権の種類、敷地権の割合が一組で示されています。
敷地権の種類は、土地所有権の共有持分なら『所有権』、地上権を共同で持つなら『地上権』、土地賃借権を共同で持つなら『賃借権』と、対象住戸の登記表示から確認します。マンションだから必ず所有権とは限りません。
敷地権割合は、特定の地面を専用使用できる範囲でも、専有部分の床面積そのものでもありません。土地に関する権利全体のうち、その専有部分と一体になった権利の割合です。
敷地権の種類・割合の書き方診断フローチャート
当てはまる答えを押すと、あなたの場合の結論に色が付きます。
- 確認2敷地権の種類は、何と表示されていますか?
- 確認3土地は何筆で、敷地権の割合は同じ分数ですか?
- 結論登記の分数のまま転記
- 結論各行に同じ分数を書く
- 結論符号ごとの分数を書く
- 結論種類を登記どおり書き借地条件を確認
- 結論土地の持分や借地権を調べる
- 確認1対象住戸の表題部に「敷地権の表示」はありますか?結論土地の持分や借地権を調べる
- 確認2敷地権の種類は、何と表示されていますか?結論種類を登記どおり書き借地条件を確認
- 確認3土地は何筆で、敷地権の割合は同じ分数ですか?結論登記の分数のまま転記結論各行に同じ分数を書く結論符号ごとの分数を書く
- 登記の分数のまま転記
「100000分の6847」のように、登記の分母・分子をそのまま書きます。約分や、小数・百分率への書き換えはしません。
- 各行に同じ分数を書く
同じ割合でも、符号ごとの行に種類と割合を書き、1行ずつ登記と照合します。
- 符号ごとの分数を書く
符号1・2は100000分の6847、符号3は1000分の65というように、符号で分数が違うことがあります。1行ずつ登記を見て書きます。
- 種類を登記どおり書き借地条件を確認
種類は登記どおり「地上権」「賃借権」と書き、割合は分数のまま書きます。借地の期間、地代、更新、譲渡の承諾は、借地契約で確認して権利内容の欄に書きます。
- 土地の持分や借地権を調べる
敷地権の表示がないときは、土地の持分や借地権を、土地登記・契約書・管理規約で調べて書きます。調べ方は、敷地権でない区分所有建物の土地欄で説明しています。
共用部分の持分、管理費の負担割合、議決権割合は、敷地権の割合とは別です。
種類・割合を書く前に確認する8項目
- 対象住戸の敷地権表示か家屋番号で対象住戸を固定し、その住戸の表題部(敷地権の表示)を読みます。上下階や隣室の割合を流用しません。
- 土地の符号が一致するか敷地権の目的土地と、住戸側の敷地権表示を符号で対応させます。所在・地番と種類・割合の行ずれを防ぎます。
- 敷地権の種類は何か所有権、地上権、賃借権等のどれが表示されているかを、そのまま記録します。土地所有者と区分所有者が違うという理由だけで賃借権と推測しません。
- 分母と分子を正確に読めるか桁数の多い分数は、分母・分子を別セルへ入力してから原本と照合します。ゼロの脱落、分母分子の逆転、別住戸の数値混入に注意します。
- 土地ごとに割合が同じか複数筆すべてが同じ割合とは限りません。符号ごとの表示を確認し、最初の一行をコピーして終えません。
- 抹消・変更の履歴がないか下線や抹消事項、分筆・合筆、敷地権変更の履歴を確認し、現在効力のある種類・割合を読みます。閉鎖情報や原因日付が必要な場合は追加取得します。
- 別の持分割合と混ざっていないか共用部分の共有持分、管理費の負担割合、議決権割合、駐車場持分、専有部分自体の共有持分は別の数字です。資料名と欄を分けます。
- 借地条件の追加説明が必要か種類が地上権・賃借権なら、期間、地代、譲渡・転貸、更新、承諾等を別の権利内容欄・借地説明書で確認します。種類と割合だけで説明を終えません。
細かな敷地権割合を誤記しない確認順
- 対象住戸の最新登記情報を取得する
通常調査では登記情報提供サービスで全部事項を取得し、取得日時の分かるPDFを保存します。家屋番号で対象を確認します。
- 目的土地の符号一覧を先に作る
符号、所在・地番、地目、地積を一行ずつ並べます。種類・割合だけを先に抜き出すと、複数筆で対応が崩れやすくなります。
- 敷地権表示を符号ごとに一字転記する
土地の符号、種類、分母、分子、原因・日付を調査表へ入力します。割合は文字列としても保存し、表示時の丸めを防ぎます。
- 対象土地の権利部と往復確認する
所有権敷地権なら土地甲区、地上権・賃借権の敷地権なら土地乙区を含め、敷地権である旨の登記と対象区分建物を照合します。
- 規約・分譲時資料で割合の位置付けを確認する
管理規約、原始規約、敷地権割合表等に同じ割合があるか確認します。登記と異なる数字がある場合は、どの権利・費用の割合かを切り分けます。
- 二つの向きから照合する
調査表から登記原本へ、登記原本から重説へ、別々に読み上げます。100000分の6847を6847分の100000と逆にしていないか、桁数も確認します。
- 決済前に変更登記の有無を再確認する
調査後に敷地権変更、分筆・合筆、訂正等がないか最新情報を確認します。変更があれば重説・契約書・登記申請予定を同時に修正します。
所有権・地上権・賃借権と割合の記載例
所有権
区分所有者が土地所有権を共有する一般的な形です。土地全体を単独所有する意味ではなく、登記された割合の所有権敷地権を持ちます。
地上権
他人の土地に建物等を所有するため、その土地を使用する物権です。区分建物の敷地権として登記されている場合は、種類を『地上権』と記載します。
賃借権
土地賃貸借契約に基づく権利です。敷地権として登記されている場合でも、地代、期間、更新、譲渡承諾等の契約内容は別に確認します。
| 確認できた登記 | 独自の記載例 | 注意点 | |
|---|---|---|---|
| 所有権・1筆 | 符号1/所有権/100000分の6847 | 敷地権の種類:所有権、敷地権の割合:100000分の6847 | 約6.85%、0.06847へ置き換えない |
| 所有権・3筆で同一割合 | 符号1・2・3がすべて所有権/100000分の6847 | 各土地の行に、所有権/100000分の6847を記載 | 『上記同様』で省略せず、書式の各行と原本を照合 |
| 土地ごとに割合が異なる | 符号1・2:所有権/100000分の6847、符号3:所有権/1000分の65 | 符号3だけ所有権/1000分の65と個別記載 | 最初の割合を全行へコピーしない |
| 賃借権敷地権 | 符号1/賃借権/500分の7 | 敷地権の種類:賃借権、敷地権の割合:500分の7 | 借地期間・地代・譲渡承諾等を別欄で追加確認 |
| 敷地権表示なし | 対象住戸の表題部に敷地権の表示がない | 敷地権の種類・割合を推測入力しない | 土地持分や借地権を土地登記・契約・規約から個別調査 |
小数や百分率にすると丸めが生じ、登記原本との突合が難しくなります。100000分の6847は約6.847%ですが、重説の転記値は100000分の6847です。説明補助で換算値を示す場合も、登記割合とは別表示にします。
架空例の土地1,845.32㎡に100000分の6847を掛けると約126.35㎡ですが、これは計算上の参考値にすぎません。その126.35㎡の特定区画を住戸所有者が単独使用できる、という意味ではありません。
区分所有法22条は、敷地利用権と専有部分の分離処分を原則として禁止し、一定の場合の割合について専有部分の床面積割合を基準にしつつ、規約で異なる割合を定められるとしています。現在の床面積だけから登記割合を再計算せず、登記と規約で確認します。
| よく似た数字 | 敷地権割合との違い |
|---|---|
| 専有部分の共有持分 | 夫婦が住戸を2分の1ずつ持つ等の割合。住戸全体の敷地権割合に対し、各共有者が取得・処分する権利範囲を登記・契約で確認し、二段の割合を混同しない。 |
| 共用部分の共有持分 | 廊下・階段等の共用部分に関する持分。区分所有法上の基準や規約を確認し、敷地権割合と同じと決めつけない。 |
| 管理費・修繕積立金の負担割合 | 管理規約・総会決議等に基づく費用負担。敷地権割合と一致する場合があっても別の確認項目。 |
| 議決権割合 | 管理組合の集会での議決権。規約の定めを確認し、登記の敷地権割合をそのまま使わない。 |
| 専用使用権の対象面積 | 専用庭・バルコニー・駐車場等を使用できる範囲。土地所有権の持分割合とは別の権利・利用条件。 |
東京23区・埼玉県とも、割合のルールは同じです
敷地権の種類・割合の登記方法は全国共通です。東京都や埼玉県の役所へ割合を照会するのではなく、対象区分建物と土地の登記、マンション固有の管理規約・原始規約・分譲時資料から確認します。
東京都23区
物件所在区を管轄する東京法務局本局・出張所を確認します。対象住戸の家屋番号と各土地の地番を用意し、登記の対応関係を確認します。
埼玉県
物件所在市町村を管轄するさいたま地方法務局本局・支局・出張所を確認します。割合自体は市役所・県庁の台帳で確定するものではありません。
通常の事前調査
登記情報提供サービスで対象住戸と各土地の全部事項を取得します。オンラインの登記事項証明書請求は操作に不慣れな方へ積極的にはおすすめせず、証明書が必要なら法務局窓口等と使い分けます。
借地型マンション
種類が賃借権なら登記だけで完結しません。借地条件と譲渡承諾の調査は、土地賃借権と2026年最高裁判決の記事も参照してください。
確認した公式資料:宅地建物取引業法35条(e-Gov)不動産登記法44条・46条(e-Gov)不動産登記規則118条・119条(e-Gov)建物の区分所有等に関する法律(e-Gov)民法(e-Gov)区分建物の登記事項証明書見本(法務省)登記情報提供サービス東京法務局の不動産登記管轄さいたま地方法務局の不動産登記管轄
細かな分数ほど、計算せず『文字列』として扱います

小野田 敦士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
割合を分かりやすく直そうとしないでください。登記と同じ分母・分子のまま写し、土地の符号と一緒に読み上げるのが一番確実です。
| 事故の起きやすい場面 | 確認方法 |
|---|---|
| ゼロが多い分母 | 分母・分子を別々に入力し、原本と桁数を照合してから『○分の○』へ組み立てる |
| 複数筆のコピー入力 | 土地の符号ごとに原本へ戻り、種類・割合が本当に同じか確認する |
| 別住戸の流用 | 面積が同じ間取りでも家屋番号ごとの登記を取得し、対象住戸の値を使う |
| 夫婦共有の住戸 | 住戸全体の敷地権割合と、各売主の住戸共有持分を分けて記録する |
| 管理規約の別割合 | 管理費・議決権・共用部分の割合か、敷地権割合かを見出しと根拠資料で区別する |
種類・割合だけを正しく写しても、どの土地の権利かがずれていれば意味がありません。先に、「敷地権の目的である土地」の記事で目的土地と符号を確定してください。
物件調査から重要事項説明書の作成まで対応します
- 埼玉県全域・東京都23区の売買物件に対応
- 取引資料の確認、現地・役所・法務局等の調査、重要事項説明書ドラフト作成
標準的な1物件88,000円(税込)。公的資料取得実費は別途です。
対象住戸・目的土地・管理規約を照合し、土地の符号ごとに敷地権の種類と割合が追える重要事項説明書ドラフトを作成します。
物件調査・重要事項説明書の作成を依頼するサービス内容とご依頼の流れをご確認いただけます。敷地権の種類・割合でよくある質問
敷地権の種類は、ほとんど所有権ですか?
分譲マンションでは所有権敷地権が一般的ですが、地上権・賃借権の場合もあります。物件の外観や販売名称ではなく、対象住戸の表題部(敷地権の表示)で確認します。
100000分の6847は約分してよいですか?
重説への転記では、登記に表示された分母・分子をそのまま記載します。数学上の等価性とは別に、原本との追跡可能性を保つため、独自に約分・小数化・百分率化しません。
敷地権割合は、専有面積の割合と同じですか?
一致することはありますが、現在の専有面積から自動的に算出してはいけません。区分所有法には床面積割合を基準とする規定と規約による別段の定めがあり、実務では登記と規約を確認します。
土地の地積に敷地権割合を掛けた面積を重説へ書きますか?
通常、目的土地の欄には各土地全体の登記地積と敷地権割合を別々に記載します。掛け算した面積は登記事項ではなく、特定区画の専用使用権を示すものでもありません。
夫婦が住戸を2分の1ずつ持つ場合、敷地権割合も半分ですか?
住戸全体に付随する敷地権割合と、夫婦が持つ専有部分の共有持分は別の階層です。各共有者が取得・売却する権利範囲を登記と契約で確認し、二つの分数を混ぜません。
土地が3筆なら、敷地権割合もすべて同じですか?
同じとは限りません。対象住戸の敷地権表示を土地の符号ごとに確認し、各土地の種類・割合を個別に転記します。
賃借権敷地権なら、割合だけ確認すればよいですか?
いいえ。借地期間、地代、更新、譲渡・転貸の承諾、担保設定、契約終了時の処理等を借地契約と別の説明欄で確認します。