都市計画区域・区域区分はどこで調べる?|重説の書き方と窓口確認
公式地図で「市街化区域」と表示されれば、そのまま重説へ書いてよいですか?
物件所在地を都市計画情報の地図で検索すると、市街化区域と表示されました。重要事項説明書では『都市計画区域内』と『市街化区域』を選べばよいのでしょうか。境界付近でなければ、役所への確認は不要ですか。
区域内・区域外を確認してから、区域区分を確認します
重説では、まず対象地が都市計画区域内か区域外かを確認します。区域内なら、市街化区域・市街化調整区域・区域区分のない区域のいずれかを選びます。区域外なら、準都市計画区域の指定があるかを別に確認します。
都市計画法7条の『区域区分』は、市街化区域と市街化調整区域との区分をいいます。都市計画区域内であっても、区域区分を定めていない都市計画区域があります。そのため、『都市計画区域内=市街化区域』ではありません。
公式のオンライン地図は、調査の入口として所在地と指定の概況をつかむために使います。対象地が境界付近にある、地番と地図の位置が合わない、複数筆で指定が分かれる、更新時点が分からない場合は、所在地の都市計画担当へ地番資料を示して確認します。
市街化区域等の区分は、国土利用計画法・公拡法の届出要否を判定するときにも使います。広い土地の売買では、区域区分を確認した後に、売買対象面積と買主が取得する一団の土地を確認します。
都市計画区域・区域区分を重説にどう書くかの診断フローチャート
当てはまる答えを押すと、あなたの場合の結論に色が付きます。
- 確認2都市計画図と窓口の回答では、区域区分はどれですか?
- 結論都市計画区域内(市街化区域)
- 結論都市計画区域内(市街化調整区域)
- 結論都市計画区域内(区域区分なし)
- 確認3準都市計画区域の指定はありますか?
- 結論区域外(準都市計画区域の指定あり)
- 結論区域外(準都市計画区域の指定なし)
- 確認1対象地は、都市計画区域に入っていますか?
- 確認2都市計画図と窓口の回答では、区域区分はどれですか?結論都市計画区域内(市街化区域)結論都市計画区域内(市街化調整区域)結論都市計画区域内(区域区分なし)
- 確認3準都市計画区域の指定はありますか?結論区域外(準都市計画区域の指定あり)結論区域外(準都市計画区域の指定なし)
- 都市計画区域内(市街化区域)
重説には「都市計画区域内(市街化区域)」と書きます。次に、用途地域、防火地域・準防火地域、高度地区、地区計画、建ぺい率・容積率を調べます。
- 都市計画区域内(市街化調整区域)
重説には「都市計画区域内(市街化調整区域)」と書きます。開発許可・建築許可の履歴と、買主が再建築できる条件を調べます。調べ方は、市街化調整区域と開発許可で説明しています。
- 都市計画区域内(区域区分なし)
重説には「都市計画区域内(区域区分のされていない区域)」と書きます。用途地域と特定用途制限地域の指定、開発許可が要る規模、自治体の条例を調べます。
- 区域外(準都市計画区域の指定あり)
重説には「都市計画区域外(準都市計画区域の指定あり)」と書きます。用途地域等の指定があるか、建築基準法がどう適用されるか、開発・造成の規制を調べます。
- 区域外(準都市計画区域の指定なし)
重説には「都市計画区域外(準都市計画区域の指定なし)」と書きます。区域外でも、盛土・農地・森林などの法令や条例の規制は適用されるので調べます。
敷地が区域の境界に近いとき、筆ごとに区域が違うとき、地番と地図の位置が合わないときは、公図や測量図を示して所在地の都市計画担当へ確認してから書きます。
区域区分欄は、二段階の選択肢です
都市計画区域
一体の都市として総合的に整備・開発・保全する必要がある区域として、都市計画法5条に基づき指定される区域です。
区域区分
都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に分けることです。一般に『線引き』とも呼ばれます。
区域区分のない区域
都市計画区域内ではあるものの、市街化区域と市街化調整区域に分けていない区域です。『非線引き都市計画区域』と呼ばれることもあります。
準都市計画区域
都市計画区域外で、土地利用を整序し環境を保全するため指定される区域です。都市計画区域外を選んだ後に、指定の有無を確認します。
- 調査対象となる全筆の地番住居表示だけでなく、売買対象の土地を地番単位でそろえます。私道持分や複数筆の一部を調査から外さないようにします。
- 都市計画区域の内外区域内か区域外かを先に確定します。区域外なら準都市計画区域の指定有無を続けて確認します。
- 区域区分の種類区域内なら、市街化区域、市街化調整区域、区域区分なしのいずれかを確認します。
- 敷地と指定境界の位置敷地の中央点だけで判断せず、全筆・敷地全体が同じ指定か、境界にかかる可能性がないかを見ます。
- 調査日と地図の更新時点閲覧日、URL、地図上の表示、窓口回答を残します。後日の変更と調査時点の指定を区別できるようにします。
地番をそろえてから、公式地図・窓口・保存資料の順で調べます
- 売買対象の地番を一覧にする
登記情報、公図、測量図、売買対象一覧を照合し、主たる宅地以外の筆も含めて調査対象を確定します。
- 所在地の公式都市計画地図を開く
埼玉県では各市町村の公式地図、東京23区では東京都または各区の公式サービスを使い、都市計画区域・区域区分の表示を確認します。
- 地番資料と地図を重ねて見る
住所検索のピンだけに頼らず、公図や測量図から対象筆の範囲を確認します。境界線、複数指定、地図上のずれを拾います。
- 窓口確認が必要かを判定する
境界付近、複数筆で表示が異なる、住居表示と地番位置が合わない、地図の更新時点が不明という場合は、重説の選択を確定せず担当窓口へ進みます。
- 地番を示して担当部署へ確認する
公図、地積測量図または案内図を用意し、区域内外、区域区分、境界またぎ、回答の根拠資料を一つずつ質問します。
- 回答と根拠を保存する
地図の出力、URL、閲覧日、担当部署、回答日時、担当者、提示した資料を保存します。指定図や証明を交付する自治体では、その名称と取得方法も確認します。
- 二段階を分けて重説へ記載する
『都市計画区域内』と、その内側の区域区分を別々に選びます。市街化調整区域なら、次に開発・建築許可の履歴と再建築条件を調査します。
窓口での質問と、確認結果別の記載方法
- 都市計画区域・準都市計画区域の別『地番○○番○は、都市計画区域内ですか。区域外の場合、準都市計画区域の指定はありますか』と質問します。
- 区域区分『区域内の場合、市街化区域、市街化調整区域、区域区分のない区域のどれですか』と、三つを分けて確認します。
- 敷地全体と境界『この敷地・全地番は同じ区域ですか。指定の境界にかかっていますか』と、敷地中央ではなく全体について確認します。
- 情報の現在性『確認日時点の指定ですか。公開地図に未反映の決定・変更はありますか』と質問します。
- 保存できる根拠『回答の根拠として保存できる指定図、都市計画図、告示、証明等はありますか』と確認します。資料の名称は自治体ごとに異なります。
| 確認結果 | 重説で選ぶ箇所 | 続けて調べること |
|---|---|---|
| 市街化区域 | 都市計画区域内/市街化区域 | 用途地域、防火指定、高度地区、地区計画、建ぺい率・容積率等 |
| 市街化調整区域 | 都市計画区域内/市街化調整区域 | 開発許可・建築許可、既存建物の許可履歴、買主による再建築の可否 |
| 区域区分なし | 都市計画区域内/区域区分のされていない区域 | 用途地域、特定用途制限地域、開発許可規模、自治体条例 |
| 区域外・準都市計画区域あり | 都市計画区域外/準都市計画区域の指定あり | 用途地域等の指定、建築基準法の適用、開発・造成関係の規制 |
| 区域外・準都市計画区域なし | 都市計画区域外/準都市計画区域の指定なし | 区域外でも適用される法令、条例、盛土・農地・森林等の個別規制 |
さいたま市浦和区の対象土地について、さいたま市地図情報と南部都市計画指導課で確認し、敷地全体が市街化区域内であるとの回答を得た場合:『都市計画区域内(市街化区域)』を選択。調査日、地図出力、照会先・回答記録を保存します。
埼玉県は市町村窓口、東京23区は各区の指定図まで確認します
埼玉県は、2026年5月7日時点で40の都市計画区域があり、そのうち34区域で区域区分を定めています。県内すべてが同じ選択になるわけではありません。県の区域図で全体像を確認した後、対象地の市町村が公開する地図と都市計画担当窓口へ進みます。埼玉県の公開データも、権利・義務に関わる詳細は各市町村窓口で確認するよう案内しています。
さいたま市は『さいたま市地図情報』で予備調査できます。個別の都市計画情報は都市計画課ではなく、西区・北区・大宮区・見沼区・岩槻区は北部都市計画指導課、中央区・桜区・浦和区・南区・緑区は南部都市計画指導課が窓口です。
東京23区は東京都市計画の区域に当たり、東京都の2025年版資料では、多摩川・荒川・江戸川等の主要河川・河川敷と海面を除き市街化区域とされています。ただし、個別土地の重説では一般論だけで選ばず、東京都のインターネット提供サービスで概況を確認し、必要に応じて各区の都市計画担当で指定図を確認します。
地域別の公式確認先:埼玉県の市街化区域・市街化調整区域埼玉県公開データの利用上の注意さいたま市の都市計画調査案内さいたま市地図情報東京都都市計画情報等インターネット提供サービス東京都の都市計画相談窓口
区域区分は、建築できるかを調べる入口です

小野田 敦士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
『市街化調整区域だから建築できない』と一言で終わらせません。区域区分を確認したら、許可履歴と買主が再建築できる条件まで調べます。
区域区分を間違えると、その後に調べる用途地域、開発許可、建築許可等の前提がずれます。生じる不利益は物件と買主の利用目的によって異なるため、区域の名称だけで契約上の結論を断定しません。
| 調査・記載の誤り | 起こり得る影響 | 次の確認先 |
|---|---|---|
| 調整区域を市街化区域と記載 | 予定建物の新築・建替えに許可上の問題が生じ、設計変更、許可手続、融資審査、契約判断へ影響する可能性 | 開発許可担当・建築担当 |
| 区域区分なしを区域外と記載 | 都市計画区域内で適用される用途・形態・開発関係の調査を外してしまう可能性 | 都市計画担当・建築担当 |
| 境界またぎを見落とす | 敷地の一部に異なる指定がかかり、建築計画や許可判断をやり直す可能性 | 都市計画担当。適用関係は個別照会 |
| 根拠を保存しない | 後日の都市計画変更や紛争時に、説明時点の調査内容を再現しにくくなる | 地図出力・照会記録・交付資料を保存 |
物件調査から重要事項説明書の作成まで対応します
- 埼玉県全域・東京都23区の売買物件に対応
- 公式地図の予備調査、行政窓口への確認、根拠資料の保存、重要事項説明書ドラフト作成
標準的な1物件88,000円(税込)。公的資料取得実費は別途です。
都市計画区域・区域区分を入口に、用途地域、道路、開発・建築許可まで関連する調査結果をつなげて重説へ反映します。
物件調査・重要事項説明書の作成を依頼するサービス内容とご依頼の流れをご確認いただけます。都市計画区域・区域区分でよくある質問
都市計画区域内なら、必ず市街化区域ですか?
いいえ。市街化区域、市街化調整区域、区域区分を定めていない都市計画区域があります。区域内外と区域区分を二段階で確認します。
市街化調整区域なら、建物は一切建築できませんか?
一律には断定できません。開発行為の有無、建物用途、既存建物の許可履歴、都市計画法29条・34条・43条、自治体の基準等を確認します。
公式Web地図の印刷だけを調査記録にできますか?
明確な場所の予備調査記録には使えますが、境界付近、地図のずれ、複数指定、許可履歴は地図だけで確定しません。窓口回答や交付資料と組み合わせます。
東京23区はすべて市街化区域ですか?
東京都の資料では、23区は主要河川・河川敷・海面を除き市街化区域です。ただし個別物件では、東京都または各区の公式地図・指定図で対象地を確認してください。
敷地が区域の境界にかかる場合、広い方の区域だけを書けばよいですか?
そのように一律判断しません。全筆と敷地形状を示して都市計画担当へ確認し、区域ごとの適用関係と次に必要な開発・建築の確認事項を整理します。