宅建業の変更届が必要になる7つの変更|期限・届出忘れの対応【埼玉県】
更新の準備中に、役員の変更届を出していないと気づきました
宅建業免許の更新書類を準備していたところ、数年前に交代した役員の変更届が未提出だと分かりました。会社の登記は変更してあります。この場合、更新申請書に現在の役員を書けば、そのまま更新できるのでしょうか。
変更届は変更日から30日以内。更新時まで待つ手続ではありません
宅地建物取引業の免許を受けた後、商号、役員、事務所、専任宅建士など届出対象の事項が変わったときは、変更日から30日以内に変更届を提出します。会社の登記変更や保証協会への連絡だけで、免許を受けた行政庁への届出が済むわけではありません。
5年に一度の更新準備を進める中で、過去の変更届が未提出だったと判明することがあります。更新申請書に現在の情報を書いたからといって、過去の変更届が不要になるわけではありません。届けていない変更があれば、変更日とこれまでの経緯を確認して対応します。
この記事では、埼玉県知事免許で変更届が必要になる7つの区分を説明します。どの変更でも同じ書類が必要なわけではなく、役員の就任や退任、事務所の移転や新設など、変更内容によって異なります。
変更届が必要かどうかの診断フローチャート
当てはまる答えを押すと、あなたの場合の結論に色が付きます。
- 結論変更届と免許証の書換え
- 結論埼玉県へ変更届
- 確認2事務所は、どう変わりましたか?
- 結論本店移転の変更届と免許証の書換え
- 結論支店の変更届(新設は保証協会も)
- 結論免許換えが必要かを確認
- 結論埼玉県の変更届の対象外
- 確認1何が変わりましたか?結論変更届と免許証の書換え結論埼玉県へ変更届結論埼玉県の変更届の対象外
- 確認2事務所は、どう変わりましたか?結論本店移転の変更届と免許証の書換え結論支店の変更届(新設は保証協会も)結論免許換えが必要かを確認
- 変更届と免許証の書換え
埼玉県へ変更届を提出し、免許証の書換え交付も受けます。必要書類は、商号・代表者・役員・政令使用人を変更したときの届出で説明しています。
- 埼玉県へ変更届
就任、退任、改姓・改名があったときは、埼玉県へ変更届を提出します。専任宅建士が変わったときは、宅建士本人も、登録を受けた都道府県へ変更登録を申請します。
- 本店移転の変更届と免許証の書換え
埼玉県へ変更届を提出し、免許証の書換え交付も受けます。新しい事務所について、使用権原の書面、案内図、カラー写真、平面図を用意します。
- 支店の変更届(新設は保証協会も)
埼玉県へ変更届を提出します。新設するときは、その事務所の政令使用人と専任宅建士の就任届のほか、保証協会へ加入している業者は分担金の納付も必要です。
- 免許換えが必要かを確認
変更届ではなく、免許換えが必要になることがあります。どちらになるかは、変更届か免許換えかの診断フローチャートで確認できます。
- 埼玉県の変更届の対象外
埼玉県では、役員の住所変更、株主の変更、事務所所在地のビル名だけの変更は、この変更届の対象外です。保証協会への届出が要るかどうかは、加入先の保証協会へ確認します。
変更届の期限は、就任、退任、移転などがあった日から30日です。過ぎている場合も、次の更新を待たずに免許担当へ相談して提出します。
変更届が必要になる7つの変更
1.商号または名称の変更
会社名や個人業者の屋号を変えた場合です。法人では商号変更の登記と宅建業の変更届が必要になり、あわせて免許証の書換えも行います。看板やWebサイトの表記だけを直して終わりにはできません。
2.個人業者の代表者の改姓・改名
個人で免許を受けている方の氏名が変わった場合です。この場合も免許証の書換えが必要です。法人の代表者交代とは異なり、個人の免許を別の人へそのまま引き継ぐ手続ではありません。
3.法人の代表者・役員の変更
法人の代表者の交代や改姓・改名、役員の就任・退任・改姓・改名が対象です。代表者だけでなく、代表権のない取締役や監査役なども確認します。必要書類は、商号・代表者・役員・政令使用人を変更したときの届出で説明しています。
4.主たる事務所の移転
埼玉県内で本店に当たる事務所を移転する場合です。新しい事務所も宅建業の事務所要件を満たす必要があり、写真、平面図、使用権原の資料などを用意します。県外へ移転する場合は、免許換えの確認が必要です。
5.従たる事務所の新設・移転・廃止・名称変更
支店などの事務所を増やす、移す、閉じる、名称を変える場合です。ここで扱う新設や移転は埼玉県内のものを指します。新設にあたっては、その事務所の政令使用人や専任宅建士の就任届、保証関係の手続も必要になります。
6.政令使用人の就任・退任・改姓・改名
支店長など、事務所で宅建業の契約を締結する権限を持つ方の変更です。「支店長」という肩書だけで一律に判断するのではなく、実際の権限を確認します。役員変更とは別に届出が必要になる場合があります。
7.専任宅建士の就任・退任・改姓・改名
専任宅建士の採用、退職、交代や氏名変更が対象です。会社が提出する変更届と、宅建士本人が行う登録変更は別の手続です。事務所間で異動した場合は、旧事務所の退任と新事務所の就任もあわせて確認します。
専任宅建士が退職して法定人数を下回った場合、変更届を出せばそのままでよいわけではありません。2週間以内に必要な措置をとる必要があります。採用や交代の予定と届出期限は、別々に確認してください。
専任宅建士の人数や勤務については、専任の宅地建物取引士の要件、移転先の確認には、宅建業の事務所要件も参考にしてください。
会社の登記・県への変更届・宅建士本人の登録変更は別手続です
たとえば、会社の役員変更登記が終わっても、その情報が自動的に宅建業の免許へ反映されるわけではありません。専任宅建士を交代した場合も、会社が県へ変更届を出すことと、本人が勤務先の登録を変えることは別の手続です。
| 手続 | 提出先 | 期限・確認事項 |
|---|---|---|
| 宅建業者の変更届 | 免許を受けた行政庁。埼玉県知事免許は埼玉県 | 変更日から30日以内 |
| 会社の変更登記 | 管轄の法務局 | 登記事項が変わった場合。登記の期限は変更内容に応じて確認 |
| 宅建士本人の登録変更 | 宅建士の登録を受けた都道府県 | 登録事項が変わったら遅滞なく。会社の30日とは別 |
| 保証協会の変更手続 | 加入している保証協会 | 変更内容に応じ、届出・添付書類・期限を加入先へ確認 |
宅建士本人の氏名、住所、本籍、勤務先が変わった場合は、登録を受けた都道府県へ変更登録を申請します。専任ではない宅建士にも関係する手続です。勤務先の会社名や免許番号が変わった場合も確認し、有効な宅建士証の氏名や住所が変わる場合は証の書換えも行います。
届け忘れに気づいたら、次の更新を待たずに対応してください
30日を過ぎてしまった場合でもそのままにせず、免許担当へ相談して未提出の変更届を出します。実際の変更日を確認し、現在の状態だけでなく、届出済みの状態から何が変わったかを説明できる資料を用意してください。
- 前回の申請控え・変更届の控えを確認
県へ最後に届け出た役員、事務所、専任宅建士などを確認します。手元に控えがないときは、これまでの提出状況を県へ確認します。
- 実際の変更日と、その後の変更を確認
登記の履歴、就任や退任の書類、移転日、勤務状況などを確認します。複数回変わっている場合は、途中の変更も含めて県へ相談します。
- 未提出の変更届と、必要な添付書類を提出
遅れた理由や追加資料の要否も確認します。更新準備中であれば、変更届を更新申請の前または同時に提出します。これは届出忘れへの対応であり、更新の時期まで待ってよいという意味ではありません。
届出期限は、就任日、退任日、移転日など、変更が生じた日を基準に考えます。登記が終わった日や証明書を取得した日を変更日として書かないよう注意してください。
更新が近い場合の流れは、埼玉県の宅建業免許更新で説明しています。未提出の変更届があることと、更新申請の期限は別の問題です。変更届の準備中でも、免許の満了日を確認してください。
登記が終わらず30日に間に合わない場合は、期限前に相談してください
本店移転や役員変更では、登記の処理に時間がかかり、変更日から30日以内に登記事項証明書を用意できないことがあります。法務局の混雑や、管轄が異なる登記所への本店移転などが理由です。登記を早く申請していても起こり得るため、単なる届出忘れとは事情が異なります。
ただし、届出期限の基準は、役員の退任なら実際の退任日、本店移転なら移転日です。登記が完了した日に変わるわけではありません。登記の完了予定日が届出期限に近い場合は、証明書が手元に届くまで待たず、免許担当へ相談してください。
- 変更届を先に提出し、証明書を後から出せるか相談の際は、実際の変更日や、登記の申請日・受付番号・完了予定日を伝えます。登記申請書の写し、受付がわかる資料、議事録や退任を証する書面などで変更内容を確認できるか、期限前に確認してください。どの県でも必ず先に受け付けてもらえる制度ではありません。
- 埼玉県では会社法人等番号による添付省略も確認会社法人等番号を記載すれば、履歴事項全部証明書の添付を省略できます。ただし、登記申請中の変更内容まで確認できるとは限りません。添付の省略ができることと、登記未完了を理由に先行して届出を受け付けてもらえるかは別の問題です。
- 間に合わない場合の提出時期と説明資料を確認登記の受付資料や完了予定日の記録を手元に残し、届出が遅れる事情を説明できるようにしておきます。期限後の提出方法や、理由書・始末書の要否も県に確認し、登記が完了したら速やかに対応します。電話相談だけで届出が完了するわけではありません。
千葉県では、変更後30日を超えた場合、遅れた理由や改善の意思を記載した始末書を提出し、来庁または電子申請で対応します。役員の退任日などが登記簿に記録される場合でも、登記日ではなく変更日が基準です。登記の遅れを理由に始末書が不要になるか、あるいは先に届出できるかは、公表案内だけでは確認できないため、事前に担当へ相談する必要があります。
届出の遅れや始末書の提出は、できる限り避けたいところです。ただし、始末書が業者名簿の閲覧で誰でも見られるとは一律には言えません。2025年4月1日に閲覧対象書類が見直され、埼玉県ではその日以降の届出に関する閲覧対象の一覧に、始末書は含まれていません。古い書類の扱いは異なるため、提出時期と行政庁ごとの閲覧範囲を確認します。
登記の遅れ・千葉県の期限後対応・閲覧範囲の確認先:千葉地方法務局の登記完了予定日・注意事項千葉県の変更届・30日を超えた場合の始末書埼玉県の宅建業者名簿の閲覧対象
必要書類は、役員の就任・退任や事務所の変更内容で異なります
代表者・役員・政令使用人が新たに就任する場合
変更届に加え、身分証明書、登記されていないことの証明書、略歴書、誓約書などを確認します。すでに届出済みの役員が代表者になる場合など、添付を省略できる場合もあります。
専任宅建士が就任・退任する場合
専任宅建士用の略歴書や設置証明書などを、就任や退任に応じて用意します。役員等に必要な身分証明書や登記されていないことの証明書を、専任宅建士にも一律に求めるわけではありません。
事務所を移転・新設する場合
使用権原の書面、案内図、カラー写真、平面図などが必要です。住所が同じでも、使用範囲の拡張や縮小、部屋の移動があれば、事務所の変更として確認が必要です。
埼玉県では2026年9月から、変更届の余白に会社法人等番号を記載すれば、履歴事項全部証明書の添付を省略できます。ただし、変更日が確認できない場合には閉鎖事項全部証明書などを求められることがあります。添付不要であっても、登記と届出の内容や変更日が一致しているかは確認が必要です。
商号・名称、個人業者の氏名、法人の代表者、主たる事務所の所在地が変わる場合は、免許証の書換え交付も必要です。代表者ではない役員の就任や退任だけであれば、同じ扱いにはなりません。
埼玉県の変更届は、窓口、郵送、電子申請で提出できます。窓口への変更届提出は予約不要です。窓口や郵送では正本1部と副本1部を用意し、副本は添付書類も含めてコピーします。代理提出に必要な委任状や、免許証原本の返送なども、変更内容と提出方法に応じて確認します。
保証協会に加入している業者が従たる事務所を新設する場合、設置から2週間以内の弁済業務保証金分担金の納付も必要です。新しい事務所の営業開始には保証関係の手続が関わるため、県への変更届を出しただけで営業できるとは考えないでください。
県外へ事務所を移す、県外に新しい事務所を設けるなど、事務所が所在する都道府県が変わる場合は、免許換えが必要になることがあります。埼玉県知事免許のまま変更届だけで済むかを、移転や新設の前に確認してください。
この7項目は、会社に起きるすべての変更を意味するわけではありません。埼玉県では、役員の住所変更、株主の変更、事務所所在地のビル名だけの変更などは、この変更届の対象外です。ただし、登記、保証協会、宅建士本人の登録など、ほかの手続まで不要になるわけではありません。電話番号だけの変更にも別の案内があるため、個別に確認します。
届出対象・期限・必要書類の確認先:宅地建物取引業法(第9条・第20条・第31条の3)埼玉県の変更届出書・必要書類埼玉県の事務所変更の手続宅建士本人の変更登録(埼玉県)
登記を変えるときに、宅建業の届出も確認しておくと安心です

小野田 敦士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
役員交代や本店移転では、登記が終わると手続が済んだと思いやすいものです。私は司法書士・行政書士として登記と宅建業の届出を扱い、自身も宅建業を営んでいます。会社の変更を伺った際には、県への届出や保証協会、宅建士本人の手続も一緒に確認します。
更新のたびに過去の変更を調べ直す負担を減らすには、変更時に届出を済ませ、登記の資料と変更届の控えを保管しておくことが大切です。役員の交代や従業員の退職があったときも、後任の方が提出状況を確認できるようにしておきます。
登記と宅建業の変更届を、ひとつの窓口でご相談いただけます
- 役員変更・商号変更・本店移転の登記と変更届に対応します
- 未提出の変更届がある場合は、過去の変更日と届出状況を確認します
- 免許証の書換えや保証協会の手続も、変更内容に応じて確認します
現在の免許証、前回の申請控え、提出済みの変更届があればお知らせください。登記だけ済ませている場合や、更新準備中に届出忘れが見つかった場合もご相談いただけます。
宅建業の変更届について相談する必要な手続と報酬は、変更内容・事務所数・未提出の届出の有無を確認してご案内します。宅建業の変更届についてよくある質問
会社の役員変更登記を済ませれば、宅建業の変更届は不要ですか?
不要にはなりません。法務局への登記と、免許を受けた行政庁への変更届は別です。役員の就任や退任などの変更は、変更日から30日以内に届け出ます。
更新のときに、過去の変更をまとめて届けてもよいですか?
更新まで待つことはできません。変更届の提出期限は変更日から30日以内です。届け忘れに気づいた場合はすぐに相談し、更新準備中なら更新申請の前または同時に未提出の変更届を出します。
専任宅建士の変更届を会社が出せば、本人は何もしなくてよいですか?
会社の届出と本人の登録変更は別です。本人の勤務先など登録事項が変わった場合は、登録を受けた都道府県へ遅滞なく変更登録を申請します。
代表者ではない取締役や監査役の交代も対象ですか?
役員の就任や退任も対象です。法人の代表者だけを届ける制度ではありません。法人の種類や役職に応じて対象者と必要書類を確認します。
埼玉県から東京都への移転も、変更届だけで済みますか?
変更届だけで済むとは限りません。事務所の所在する都道府県が変わると、東京都知事免許や国土交通大臣免許への免許換えが必要になることがあります。ほかの事務所がどこに残るかも含め、移転前に確認してください。